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【イベント報告】深入山の植物観察会

  • 開催日時:2012年9月29日(土) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・和田秀次

7年ぶりに深入山の植物観察会が行われました.今回の講師は,大竹先生・佐久間先生・和田先生と植物の専門家がそろっています.最初に室内で,大竹先生より深入山の成り立ちや地質について,佐久間先生からは深入山の植生についてお話がありました.6500万年前の地殻変動により地形ができ,300年前の草を使う文化により,現在の深入山の草原があるという歴史的なお話は大変興味深かったです.また,佐久間先生の植生調査によると深入山は,帰化植物が少ない草原であり,生育する植物の3分の1は草原生であることがわかったそうです.このことから,草原を維持する継続的な山焼きの必要性がよくわかりました.
講義のあとはいよいよ登山です.登山道入り口ではウメバチソウの花が迎えてくれました.登るにつれ,サイヨウシャジン,キキョウ,ホクチアザミ,センボンヤリ,モリアザミ,センブリ,ヤマラッキョウ.シラヤマギクなどが観察でき,講師からそれぞれの特長や,似た植物との相違点など丁寧な解説がありました.頂上で昼食をとり,周りの景色を楽しみました.とてもきれいなリンドウが咲いていたのも印象的でした.
下りは森の中を通りエゾビタキの姿をキャッチしました.アキチョウジ,キバナアキギリといった湿地の植物も咲いており,目を楽しませてくれました.
予定通り15時には下山し,最後のまとめをしました.
参加者のひとりに今日観察した植物を書いたメモ帳を見せていただくと,約100種類の種が記入されていました.深入山に生育する種は佐久間先生の調査によると282種ということから,3分の1観察できたことになります.
秋の草原をしっかり満喫でき,植物をしっかり見ることができた観察会となりました.(こうのやよい)

みなさんの印象に残った物

「センボンヤリを見たこと(2)」「ウメバチソウがきれいだった.オシベが一本ずつ伸ばして種の保存をするのが自然のいとなみがすごいと思った」「草原のながめ」「草原の植物の方向性」「今までしみじみ見なかった花を見られたこと」「ウメバチソウ」「リンドウ(2)」「モリアザミに出会えた事がうれしかった(3)」「青い色の花たちです」「ママコナの種類を教えてもらえた」「土質,石,火入れを続けた草原」「小さな小さなコゴメグサ」「ヤマラッキョウを見れてよかったです」「リンドウと山の風景」「草原の成り立ちについて話が聞けたのでよかったです」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「たくさんの植物があって,深入山にまた来たいと思った」「天気もすごく良くたのしかったです」「柔らかい雰囲気がとてもリラッックス出来ました.ありがとうございました」「地球というマクロから始まり,ルーペの世界まで楽しめ,とてもよかったです」「ゆっくりしたペースでしたのでよく観察できて楽しかったでしょう」「久しぶりの山で気持ちよく,又,専門のお話を聞けて刺身状の石,氷河期からのお話や花々が楽しかったです」「これまで知らなかった花や本を教えていただき,よかったです」「登山前の解説が良かった.下山後のまとめも良かった」「登山にちょうど良い気候で先生方の話を楽しく聞きながらよい観察会です(2)」「深入山にたくさんの花のある事を知り,よかったです(2)」「スタッフの皆様ごくろう様です」「楽しかった(2)」「いつも登っているコースですが,説明を聞きながらは良いですネ.又,質問も聞けて”そ〜なんだ”です」「見たことののない植物が見れてよかったです」「山に入って山を訪れることはすばらしいことだと思います.山のボキャブラリーを増やすためにまた参加したいです」「草花と草原の関係をわかりやすく説明してもらったので楽しかったです」

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安芸太田町の職員さんから,安芸太田町が広島県初の森林セラピー基地に認定されたことや,これからの取り組みを紹介していただきた.
安芸太田町の職員さんから,安芸太田町が広島県初の森林セラピー基地に認定されたことや,これからの取り組みを紹介していただきた.佐久間先生と大竹先生のお話を熱心に聞く参加者.
佐久間先生と大竹先生のお話を熱心に聞く参加者.サイショウシャジンとツリガネニンジンの違いを,実際に見ながら教えていただきた.
サイショウシャジンとツリガネニンジンの違いを,実際に見ながら教えて頂いた深入山のふもとでは消防団の運動会が開催されていた.
深入山のふもとでは消防団の運動会が開催されていた.和田先生おすすめの本.万葉集に出てくる草花という視点で観察してもおもしろいよ,と教えていただいた.
和田先生おすすめの本.万葉集に出てくる草花という視点で観察してもおもしろいよ,と教えていただいた.ウメバチソウのおしべの場所を示す佐久間先生.
ウメバチソウのおしべの場所を示す佐久間先生.草原に生育するモリアザミ.
草原に生育するモリアザミ.植物だけでなく,景色も楽しんだ.
植物だけでなく,景色も楽しんだ.お待ちかねのお昼ごはん.思い思いにお弁当を広げた.
お待ちかねのお昼ごはん.思い思いにお弁当を広げた.ヤマラッキョウ.まだつぼみだった.
ヤマラッキョウ.まだつぼみだった.登頂記念にはいチーズ!芸北の山並みも見える気持ちのよい頂上で.
登頂記念にはいチーズ!芸北の山並みも見える気持ちのよい頂上で.どんぐりをわけっこするちびっ子ふたり.
どんぐりをわけっこするちびっ子ふたり.お天気が心配されたが,雨にあわず下山.
お天気が心配されたが,雨にあわず下山.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査(秋)

  • 開催日時:2012年9月22日(土) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・白川勝信

広島県を中心に湿原再生の事業が進められている霧ヶ谷湿原で,植生調査を実施しました.この調査は,工事が実施された5年前から継続しているもので,再生の効果を判断したり,これからの保全活動を決めたりするために必要なものです.
今回は23人の方たちに調査に参加していただきました.調査を指導するのは大竹先生,佐久間先生,そして白川です.3班で調査するには人数が多いので4班に分かれ,2つの班が大竹先生と佐久間先生の指導のもとに調査を行なっている間,他の2班は白川が一緒に湿原全体の観察をし,観察が終わったところで調査班と観察班が入れ替わりました.
予定どおりの時間に調査を終えた後に,広島県の研究員である山場先生から湿地での調査について解説していただきました.山場先生は,自動操縦で飛ぶ模型飛行機を使って,高画質の空中写真を撮影し,画像から湿原全体の植生を調べる方法を研究されています.この資料と,今回のような詳細な調査の両方を進めることで,より正確かつ全体的に湿原の状態を知ることができるのです.
最後に,二川キャンプ場の駐車場で,大竹先生と佐久間先生に総括をしていただき,解散しました.今年は広島県がモニタリング成果を報告する年です.この調査結果も,その中に盛り込まれることになっています.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「アケボノソウの花弁」「守っていくたには大変な事をされているのだなと思いました」「非常に多くの種類の植物があることに驚いた」「二本立ての内容」「湿原の再生に対しての熱意と努力に感動しました.次世代へ残すべき風景だと思います」「植生の多さにおどろかされた」「名前の知らない草花が多くの種類ある事に驚きました.・ハンノキの命のつなぎ方」「高原一面に秋の気配を感じます」「山野草の花々.自然,湿原(3)」「湿原のうつりかわり」「湿原の再生事業(自然全般)」「確実に霧ヶ谷の植物に詳しい人が増えている」「植物の名前は覚えられなかったけど,色々特徴があるのがおもしろかった」「調査に参加出来た事」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「調査と観察の2本立てはとてもよかった」「説明がわかりやすかった(2)」「参加者が多く,来年以降も来てほしい」「湿原の植生が分かった」「湿原の今後の成り行きを見守りたい」「これからも参加してみたいです.植物種がたくさん外来種もたくさんある」「植生調査でいままでになく若い人たちがたくさんされて良かったです.これからも若い人たちの参加を望みます」「自然があるのは心地よい」「色んな植物(花)がいっぱい」「この調査結果をまとめて下さい」「湿原が分からなかったけど,説明を聞き,興味を持ちました(2)」「色々説明が聞けてたのしかったです(3)」

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ミゾソバが優占するプロット.ここにはネナシカズラも見られた.
ミゾソバが優占するプロット.ここにはネナシカズラも見られた.アブラガヤやマアザミが見られるプロット.ハンノキの低木が育っていた.
アブラガヤやマアザミが見られるプロット.ハンノキの低木が育っていた.調査の最後には,山場先生から,広島県が実施している調査について紹介していただいた.
調査の最後には,山場先生から,広島県が実施している調査について紹介していただいた.今回は大勢で調査を行った.
今回は大勢で調査を行った.大竹先生と佐久間先生からの講評.
大竹先生と佐久間先生からの講評.最後のアンケートを書いて頂いて終了.調査と観察会の両方があったのが良かったようだ.
最後のアンケートを書いて頂いて終了.調査と観察会の両方があったのが良かったようだ.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原 夏のいきもの観察会

  • 開催日時:2012年7月8日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・松田賢・和田秀次

 毎回いろいろな発見がある霧ヶ谷湿原のいきもの観察会です.今回は植物担当の和田先生・大竹先生,昆虫担当の松田先生が講師陣です.加えて参加者に,鳥の専門家である上野先生・魚類両生類の専門家内藤先生であるもそろい,とても心強いメンバーで出発しました.
 湿原に着くまでにもさまざまないきものに出会いました.日本の中で繁殖地はこの八幡高原だけ!というミヤマホオジロの姿と鳴き声をキャッチ!比較的近くの木のてっぺんで堂々とした鳴き声を披露してくれ,みなさんカメラを向けたり,双眼鏡で覗き込んでいました.
 さらに進み,このあたりはヘビが多いところ・・という場所があります.参加者みんなで目を凝らして草むらをみてみると,じっとしているまだら模様のニホンマムシが見つかりました.危険な動物に対してただ闇雲に怖がるだけではなく,どんなところにおり,どんな姿をしているかということをきちんと知っておく必要があると思いました.
 霧ヶ谷湿原に着いてからも観察が続きます.
 この日はトンボもたくさん飛んでおり,アサヒナカワトンボ・グンバイトンボ・シオヤトンボ・ヒロシマサナエなど8種類確認され,中でもヒロシマサナエの見分け方を松田先生にじっくり解説していただきました.
 アブとハチの違いは「羽の枚数の違い」に加え,「口の構造の違い」も教えていただき,新たな発見がありました.
 植物ではクサレダマ,ノハナショウブ,ハンカイソウ,など湿地に生育する植物が花を咲かせていました.ミズチドリや サワヒヨドリ,オカトラノオはつぼみだったり,まだ咲き始めであったので,これから咲く姿が楽しみだなぁと期待を持ちました.
 霧ヶ谷湿原では和田先生より自然再生事業の概要や現状を聞きました.途中に立てられている解説板には霧ヶ谷湿原で見ることのできるいきものの写真が掲載されており,「今日はこれをみたね〜」「こんな花も咲くんだね〜」と参加者同士で会話が盛り上がっていました.
 一回りして,とても午前中だけでは時間が足りませんでしたが,お昼もすぎたので駆け足で帰り道を急ぎました.
 帰り際,ふわりと舞っていたアサギマダラの姿を見れたのは幸運でした.
 最後に印象に残ったものを一人ずつ発表して解散となりました.私自身は,ヒロシマサナエの見分けるポイントが“胸縫線を見る”と教わったこと,淡い黄色の花がかわいらしかったクサレダマが大変印象に残りました.秋のいきもの観察会も楽しみです![こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「ヒヨドリバナとサワヒヨドリの違いがわかった」「ミズイロオナガシジミを見れた,きれいだった」「マムシを見たことです」「ミズイロオナガシジミ,アサヒナトンボとミヤマカワトンボ」「オニヤンマを見たこと,その他いろいろなトンボが見れたこと.」「ミヤマホオジロ」「初夏の空気の中に息づく植物,鳥,昆虫の息」「ヒロシマサナエ,ラクダムシ」「ラクダムシ,ミヤマホオジロ」「ウラギンヒョウモン」「ラクダムシ」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「一般の人の参加をもっと多くしたいですね」「植物,昆虫,両生類を幅広く教わった」「色々な植物やこん虫が観察できてよかったです.」「丁ねいなせつめいありがとうございます」「鳥も植物も色々見れて充実してました」「講師陣が豪華で楽しかった」「芸北へ来るといつも自然を借りて生きているのだなあと思います.湿原の保護活動をしている皆さんの努力に拍手を送ります」「皆さんの話がとてもマニアックで,ためになりました」「たくさんの昆虫が見れてよかった」「数年ぶりに来て再生事業がすすんでいるようでたのもしく思えた」「参加者の方もいろいろくわしくて楽しかったです」

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今回新たに講師をしてくださる松田先生.昆虫だけではなくたくさんのことをご存知.
今回新たに講師をしてくださる松田先生.昆虫だけではなくたくさんのことをご存知.出発してすぐ!ミヤマホオジロの姿をキャッチ!かわりばんこに覗き込む.
出発してすぐ!ミヤマホオジロの姿をキャッチ!かわりばんこに覗き込む.クマイチゴの実.地元では炭窯のあったあとによく見かけるので「カマイチゴ」ともいうらしい.
クマイチゴの実.地元では炭窯のあったあとによく見かけるので「カマイチゴ」ともいうらしい.カワトンボにもいろいろ種類があり,これは「アサヒナカワトンボ」.
カワトンボにもいろいろ種類があり,これは「アサヒナカワトンボ」.数日前の大雨と風で水がでた様子がわかった.
数日前の大雨と風で水がでた様子がわかった.初夏の彩りクサレダマ.
初夏の彩りクサレダマ.内藤先生にカスミサンショウウオの幼生を見せていただいた.
内藤先生にカスミサンショウウオの幼生を見せていただいた.ハンカイソウにとまるクロアゲハ.色のコントラストが美しい!
ハンカイソウにとまるクロアゲハ.色のコントラストが美しい!まだまだ寄り道中.
まだまだ寄り道中.高原の自然館の前で最後のまとめ.充実した観察会でした!
高原の自然館の前で最後のまとめ.充実した観察会でした!

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査(夏)

  • 開催日時:2012年6月24日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・白川勝信・和田秀次

 夏の霧ヶ谷湿原で,植物の調査をしました.この調査は,霧ヶ谷で実施された「八幡湿原自然再生事業」の効果を,植生の回復具合から確認するためのもので,西中国山地自然史研究会では,工事が完了した2009年以来,毎年6月と9月に同じ場所で調査を続けています.工事終了から4年目の今回は,植生調査が初めてというお二人を含む,7人で実施しました.
 現地に行く前に,湿原再生の意味やねらい,その方法などの説明を,高原の自然館で和田先生から聞きました.霧ヶ谷湿原は,かつては地域の人の草刈り場でしたが,戦時中に陸軍の演習地として買い上げられて以来,地元の人による利用はありませんでした.終戦後には,開拓団として入植した方もありましたが,長くは続きませんでした.昭和の中頃には,国が食料自給率を高めるために行った「大規模草地改良事業」の国内第1号地として開発が進められました.霧ヶ谷湿原の環境が大きく変わったのはこの時です.土地を乾燥化させるための排水路が掘られ,本線の水路はコンクリートの三面張りになったため,湿原は失われました.この牧場も,1980年頃には閉鎖になりましたが,排水路は残ったため,湿原はもとには戻りません.再生事業は,人間活動によって失われた自然のしくみを,元通りに戻すとりくみです.
 このような背景を知った上で,現地で調査を行いました.予め設置されている12プロットで,植物の種類や高さを丹念に調べていきます.今回は調査の専門家が3人も参加されているので,初めて参加された方も,花が付いていない株でも見分けることができるようになったようでした.
 植生調査は地道な調査ですが,続けることで見えてくるものがあります.今年は霧ヶ谷湿原の工事を点検する年です.これを機会に,今までのデータもまとめていきたいと思います.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「カヤの種類の多さ」「ハンノキがたくさんあったこと!」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「初めてのことなので手間取りました.」「とても勉強になりました.またやらせてもらいたいと思います.」

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調査地点は木道に沿っているので,木道に座りながら記録ができる.
調査地点は木道に沿っているので,木道に座りながら記録ができる.調査区内の全ての種を記し,高さを測る.
調査区内の全ての種を記し,高さを測る.プロットを設置している様子.
プロットを設置している様子.4人で1m×1mの調査.1人は記録係.
4人で1m×1mの調査.1人は記録係.ハンノキ林の下は,マアザミ,ヌマガヤ,オニスゲ,ヒメシロネ,クサレダマなど,湿原生の種が多く見られた.
ハンノキ林の下は,マアザミ,ヌマガヤ,オニスゲ,ヒメシロネ,クサレダマなど,湿原生の種が多く見られた.初心者でも,だんだんと調査になれてくる.
初心者でも,だんだんと調査になれてくる.ミゾソバが繁茂した中に,大きなアブラガヤの株が生えている調査区.
ミゾソバが繁茂した中に,大きなアブラガヤの株が生えている調査区.湿原の植物と,ススキや外来種が一緒に生えているプロット.場所によって植生はずいぶん違う.
湿原の植物と,ススキや外来種が一緒に生えているプロット.場所によって植生はずいぶん違う.

【イベント報告】山焼き後の雲月山植物観察会

  • 開催日時:2012年4月21日(土) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子

雲月山の山焼きからちょうど1週間が経った4月21日.山焼き後の植物観察会へ18名の参加者が集まりました.
今回は登山の前に座学を行いました.
本日の講師である佐久間先生から,広島県で火入れがされている雲月山・深入山・千町原の生育植物数の比較,絶滅危惧種の数など,フィールドで調査をされている佐久間先生ならではのデータをもとに細かなお話を聞きました.草原にしか生育しない植物の写真や,種数の説明を聞き,参加者はとても興味深そうに聞きいっていました.
座学の後は登山です.島根県境の駐車場から先生を先頭に登り始めましたが,台風なみの強風に何度も立ち止まったり,低い姿勢で風をよけながら,なんとか最初のピークにつきました.尾根沿いを歩くときも風はやまず,進むので精一杯でしたが,そんな中でも佐久間先生,もう一人の講師大竹先生は雲月山から見える山なみや,植物の説明を続けてくれました.吹き飛ばされそうな風の中,ショウジョウスゲやショウジョウバカマはかわいらしい花をつけていました.2年前に舗装された登山道沿いを歩き,下の駐車場でお弁当を食べ,道路を通りもとの場所まで戻りました.
牛による外来種の移入があること,また火が入った後でもすぐに花をつけるショウジョウバカマの秘密があること,草原という環境ならではの貴重なお話も聞きました.また,ハタネズミの利用した穴をみたり,タチツボスミレの見分け方を教えていただいたりと,春を確かめる観察が楽しかったです.と同時に,草原の環境が保つ生物の多様性を感じた観察会でもありました.
風に負けずに歩いてよかった!そして,ツノハシバミの愛らしい雌花を見ることができて幸運な一日でした.何度も訪れたい愛着のある場所,雲月山がますます大好きになりました.

みなさんの印象に残った物

「強い風に体が飛びそう」「焼けた土の表面から出ているショウジョウバカマの花が愛おしくかわいかったです」「花が見れたこと」「風で前が見えなかったことです」「台風のような強い風」「強い風」「ショウジョウバカマと風の強さ」「山焼きの後の黒々とした山「花の名前.タチツボスミレ」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「今年もショウジョウバカマの花に会えて良かった」「山焼きの大切さを実感しました」「楽しかった」「大変でした」「山がよく焼けていた中で,植物が強く生きている姿が見れて良かったです」「予想以上に寒かった」山に登ったのが,楽しかった」

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今回は座学から.佐久間先生から詳しく解説.
今回は座学から.佐久間先生から詳しく解説.上の駐車場から登山開始.
上の駐車場から登山開始.雲月山の頂上を望む.
雲月山の頂上を望む.吹き荒む風を受けながらなんとか歩く.左側を見ると今回焼いたところがよくわかる.
吹き荒む風を受けながらなんとか歩く.左側を見ると今回焼いたところがよくわかる.ササのなかに隠れていたショウジョウバカマ.個体によって少しずつ色が違うのがおもしろい.
ササのなかに隠れていたショウジョウバカマ.個体によって少しずつ色が違うのがおもしろい.牛の放牧と外来種の移入についての説明があった.
牛の放牧と外来種の移入についての説明があった.この登山道沿いではショウジョウバカマがよく咲き,目を楽しませてくれた.
この登山道沿いではショウジョウバカマがよく咲き,目を楽しませてくれた.新しく設置された看板の前で.北広島町では初めての生物多様性保護区域となったいきさつや,実際に保護されている種の説明を聞いた.
新しく設置された看板の前で.北広島町では初めての生物多様性保護区域となったいきさつや,実際に保護されている種の説明を聞いた.キジムシロが黄色い花をさかせていた.
キジムシロが黄色い花をさかせていた.ツノハシバミの雌花をルーペを使って観察.楽しそう!
ツノハシバミの雌花をルーペを使って観察.楽しそう!ツノハシバミの雄花もたくさん.近くでみると花粉がついているのがわかった._7610
ツノハシバミの雄花もたくさん.近くでみると花粉がついているのがわかった.