福山市しんいち歴史民俗博物館は福山市新市町にある「福山市北西部地域の文化・文化財の保存と活用を図ることを目的とした博物館と,埋蔵文化財の調査・研究,収集した文化財の収蔵と活用を図ることを目的とした文化財センター」です。
特に,北部地域の主要産業であり,繊維産業の礎である「備後絣」の保存と活用に取り組んでいる博物館で,備後絣の歩みや製造の流れを学ぶことができます。 西中国山地自然史研究会は、近隣にある芸北民俗博物館との連携を視野に入れ、資料の展示やイベントの開催、地域学習や交流を学ぶために、北広島町教育委員会文化係とともに、9月27日に4名で視察を行いました。
福山しんいち歴史民俗博物館前では「藍」と「綿」が育てられていました。また当日は近くの小学生が社会見学に訪れており、にぎわっていました。 館内に入ると市民のみなさんが活動をされていました。糸を紡ぎ、藍に染め、機をおり、作品の制作をされています。毎週木曜日は「備後かすり学習会」が開かれており、木曜日に視察を組みました。 活気があり、楽しんで作業されている様子は、生涯学習の場として魅力に満ちていました。また、大勢で作業することで、「技」が継承されていくメリットもあります。
学芸員の解説も秀逸で、絣や機の歴史を知れば知るほど、繊維や衣を作る工程に敬意を払わざるを得ません。 専門的な解説から、手仕事の面白みや、絣の魅力、伝統産業の推移を知ることができました。 印象に残ったことは、昔の人は綿を育て、布にして、余すところなく使い、それでもボロボロになったら燃やして灰にして畑にまく、という循環です。
日本における衣類廃棄量は、年間約100万トンと言われています。 衣類への関心からも、環境を守る活動ができるのでは、と感じました。
現在高原の自然館では「芸北の自然」を展示しており、地域の自然を保護し、活用する活動に力を入れています。
地域の歴史や文化をより深く伝えることができるよう、芸北民俗博物館との連携を検討していきたいと思います。 視察を受け入れてくださった福山市しんいち歴史民俗博物館と備後かすり学習会のみなさま、ありがとうございました。