自然観察会」カテゴリーアーカイブ

【イベント報告】ブッポウソウの観察会

  • 開催日時:2013年7月15日(月) 9:30
  • 講師:上野吉雄・松田賢

芸北ではもうお馴染みになった夏鳥,ブッポウソウの観察会を行いました.呉,浜田,萩など遠くからも参加いただき,24人と大勢での観察会になりました.
フィールドに出る前に,二人の先生からブッポウソウについての講義を受けました.上野先生は,主に繁殖や育雛に関わる行動について,松田先生はブッポウソウの食性についてのお話しでした.西日本のブッポウソウは,木の電柱に巣をつくる習性を獲得したものの,電柱がコンクリートに変わっていったために巣を作ることができなくなったそうです.越冬地である東南アジアの森林が開発されて,環境が変わったことも減少の要因として考えられるそうです.こうした中,広島県では巣箱の設置によって繁殖を助ける活動が成功し,全国的に見ても有数の繁殖地になっているそうです.
室内でのレクチャーをしっかり聞いてから,巣箱を設置している場所を2箇所,見学しました.いずれの場所も,巣箱での育雛が確認されている場所です.1箇所目は駐車場の中に設置された巣箱です.親を刺激しないように,広い駐車場の端で見学しましたが,なかなか親が現れません.やはり,大勢の人を警戒しているようです.ほどほどで諦めて,次のポイントに向かいました.事務局が最後に出発したのですが,みんなが居なくなるとすぐに,親鳥が帰ってきました.やはり,警戒して待っていたようです.
2箇所目は,観察場所と巣箱の間に水田があり,かなり距離がある場所です.ここでは,巣箱の周りにも,そして反対側の山にも,ブッポウソウの姿を見付けることができました.参加者からは,濃紺の体と真っ赤なくちばしを見て「きれい!」と感激の声が上がっていました.しばらく観察していると,巣箱に餌を運ぶ行動を2回確認できました.親が巣箱に留まるのは,本当にわずかな時間でした.
最初のポイントではどうなることかとヒヤヒヤしましたが,採餌行動までしっかりと観察できました.また来年,巣立った雛が帰ってきてくれると良いですね,という言葉で観察会を終えました.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「ブッポウソウを見られた」「食べ物をくわえて飛んでいったこと」「ブッポウソウの飛ぶ姿」「ブッポウソウの飛んでいる姿」「写真ではなく,本物を見られた.高価なフィールドスコープだと見え味も違うものなんですね」「何回もきれいなブッポウソウがみれた事」「ブッポウソウのくちばしと足が赤くてとまっている姿可愛らしかったこと」「ブッポウソウのつがい」「私達にとって臭いカメムシも食べること」「ブッポウソウの飛んでいる姿が美しかった」「やはりブッポウソウの美しさ.特に飛んでいる時」「ブッポウソウの飛ぶ姿」「生態などがわかってよかった」「講義の中で渡り鳥が星座を読むことができるなどの特性についての説明」「ブッポウソウの色がきれいだった.特に飛んでいる時の色がすばらしい」「ブッポウソウがたくさん見られたこと」「何とか見れた事」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「かわいいところがたくさんあっておもしろかったです」「見えるところまで連れていっていただいてありがとうございました」「きれいな鳥でした」「ありがとうございました」「色々な説明をしていただきブッポウソウという鳥がわかった」「美しい鳥を見ることができ,楽しかったです」「飛ぶ姿がきれいでした」「巣箱に出入りするのが見られてよかった」「有意義なイベントでした」「観察前のお話でいろいろ知識を得られたのがよかった」「良かった」「ブッポウソウが見られてよかった」「今年も美しいブッポウソウが見られて幸せでした」「初めてブッポウソウを肉眼で見て感激した」「くわしい説明を頂いてからの観察だったので大変良かったです」

具体的に

「詳しい説明が聞けた」「双眼鏡とかで見せてくれてありがとうございました」「興味が持てる進行でした」「大変親切でわかりやすかった」「鳥を見る楽しさがわかりました.素人では合わせにくい望遠鏡で鳥を見れてよかったです」

自由記入

「子どもにわかりやすい説明もあれば」「ありがとうございました」「次回もぜひ参加します」「ありがとうございました」

写真

はじめに,室内でレクチャーを受けた.子どももたくさん.
はじめに,室内でレクチャーを受けた.子どももたくさん.今回の講師は松田先生(左)と上野先生(右).
今回の講師は松田先生(左)と上野先生(右).「ブッポウソウが食べる昆虫」の標本を,松田先生が持ってきて下さった.
「ブッポウソウが食べる昆虫」の標本を,松田先生が持ってきて下さった.ブッポウソウは,主にコウチュウを食べる.
ブッポウソウは,主にコウチュウを食べる.最初の観察ポイント.電柱に巣箱が取り付けられている.
最初の観察ポイント.電柱に巣箱が取り付けられている.ジッと見守るけれど(見守るから?)親鳥は現れなかった.
ジッと見守るけれど(見守るから?)親鳥は現れなかった.みんなが移動すると,すぐに親鳥が帰ってきた.
みんなが移動すると,すぐに親鳥が帰ってきた.巣箱の周りを4〜5回旋回してから,巣箱に近づく.
巣箱の周りを4〜5回旋回してから,巣箱に近づく.巣箱に泊まる直前の親鳥.羽がキレイ!
巣箱に泊まる直前の親鳥.羽がキレイ!2ポイント目は,空き家の近くに掛けられている巣箱.ここではしっかりと姿を確認できた.
2ポイント目は,空き家の近くに掛けられている巣箱.ここではしっかりと姿を確認できた.巣箱近くの電線にとまる親鳥.くちばしの赤がよく目立
巣箱近くの電線にとまる親鳥.くちばしの赤がよく目立つ巣箱にとまった親鳥.
巣箱にとまった親鳥.最後にブッポウソウの保全の話しを聞いて,観察会を終えた.
最後にブッポウソウの保全の話しを聞いて,観察会を終えた.

【イベント案内】可愛川の水生生物観察会

  • 開催日時:2013年8月10日(土) 13:00
  • 集合場所:千代田中央公民館
  • 講師:内藤順一
  • 準備:水着,ゴーグル(水中メガネ),着替え,タオル
  • 定員数:30名
  • 参加費:
    • 一般=300円
    • 賛助会員=100円
    • 正会員・中学生以下=無料

可愛川中流域にある上官井堰(壬生地区)下流でオオサンショウウオの調査をしています.オオサンショウウオは文化庁の特別天然記念物で,採る,触ることのできない動物ですが,事前にオオサンショウウオについて学習したのち,現地でそのお手伝いをしてもらいます.身近で観察することができますし,オオサンショウウオや自然環境に対する,良き理解者になれると思います.

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【イベント案内】霧ヶ谷湿原 夏のいきもの観察会

  • 開催日時:2013年6月29日(土) 9:30
  • 集合場所:高原の自然館
  • 講師:大竹邦暁・松田賢・和田秀次
  • 準備:基本セット
  • 定員数:30名
  • 参加費:
    • 一般=300円
    • 賛助会員=100円
    • 正会員・中学生以下=無料

霧ヶ谷湿原を歩きながら,植物や昆虫を観察します.夏の昆虫は,子どもたちに大人気の観察会です.

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【イベント案内】カワシンジュガイ探検隊

  • 開催日時:2013年7月28日(日) 9:30
  • 集合場所:芸北文化ホール
  • 講師:内藤順一
  • 準備:基本セット,長靴または水の中に入れる古い運動靴,ゴーグル,シュノーケル(持っている人)
  • 定員数:30名
  • 参加費:
    • 一般=300円
    • 賛助会員=100円
    • 正会員・中学生以下=無料

北広島町の天然記念物であるカワシンジュガイを探す観察会です.支流に生息しているカワシンジュガイは出水の度に下流へ流され,本流まで出てきています.支流でカワシンジュガイを観察した後,水中メガネ(ゴーグル)を付けて,水の中をのぞきながらカワシンジュガイやアブラボテをさがします.上流域で,水もきれいなので,川遊びにもなります.子供さんには必ず保護者が付き添ってください.

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【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査:夏

  • 開催日時:2013年6月23日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・白川勝信

今にも雨が降り出しそうな曇り空の中,霧ヶ谷湿原の植生調査が行われました.10名の参加者が高原の自然館に集合し,白川学芸員による,調査の手順や霧ヶ谷湿原の再生事業についての話から始まりました.
次に,霧ヶ谷湿原へ車で移動し,まず,車道に一番近いプロットで実際に調査手順を全員で見学しました.1m四方に区切られた場所(プロット)で,講師が植物の種名を確認し,参加者が植物の高さを測り,記録用紙に記入して行きます.毎回同じ場所で調査をすることで,その場所で,植生がどのように変わっているのかを調べることができます.
調査の手順を教わったあとは,今回の講師である大竹先生,佐久間先生,白川学芸員の班に分かれて調査を開始しました.湿原生の植物が大部分を占有していたり,逆に,水が行き渡らずに外来の植物が多い場所あったりと,プロットによって植生が違うことが見えてきました.途中,講師と交代し,参加者が植物の種名を調べる場面もあり,今回の調査で教わった植物の「見分け方」を実践することができました.
調査を終え,自然館に戻り,今回の調査で感じたことを話し合いました.「再生事業を施行した時と比べると,フランスギクなどの外来の植物が減っている」また「水の流れる場所に生えていたコウガイゼキショウも同様に減っている」との事でした.この事から「湿原の再生事業で土を掘り返した際に数を増やした植物が,霧ヶ谷が湿原に戻るにつれて,数を減らしているのではないか」と,大竹先生や佐久間先生が話されました.
今回の調査だけで結論が出るというわけではありませんが,この調査を毎年続けることで,霧ヶ谷湿原の植生が変化していく様子を知ることができます.去年と同じように見えて,毎年変わっていく霧ヶ谷湿原を実感できた植生調査となりました.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「調査ってこんなふうにやるんだってことがすこしわかった」「植物が3Dでじん地とりをしていること.植生調査に初めて参加して,その方法が(流れが)興味深かった.ゆっくり観察すると1m四方に多くの植物がいるのにおどろいた.」「背丈を測って記入するなど,普段できないことを体験した」「コウガイゼキショウが見られなかった.水の流れが決まってきたように思う.植物の堆積物で低い植物が生えていない.オオチドメが見られなかった.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「思っていたのとまたちがうことをしたので(なにも考えてなかったけど)すごくおもしろかった.大竹さんが植物ひとつひとつの話をたくさんしてくださってべんきょうになったしたのしかった」「腰が少々痛くなりました.根気が必要と思った.調査を通して,植物の見る目が変わってきたと思う.」「花の時期以外での見分け方を教えていただきました」「全体に植物はよく繁茂していた」

具体的に

自由記入

「秋の調査も参加したいと思います.」

写真

霧ヶ谷湿原の車道を挟んだ向かい側.工事施工前に水を廻すと湿原に戻るか試みた.
霧ヶ谷湿原の車道を挟んだ向かい側.工事施工前に水を廻すと湿原に戻るか試みた.木道に一番近いプロット.全員で調査を行った.
木道に一番近いプロット.全員で調査を行った.ススキの特徴は,中央の白い筋が通っていることを先生から聞いた.
ススキの特徴は,中央の白い筋が通っていることを先生から聞いた.湿原を訪れていた人も興味深そうに見守る.
湿原を訪れていた人も興味深そうに見守る.こちらのプロットは導水路をまたぐ場所.
こちらのプロットは導水路をまたぐ場所.ミゾソバがほぼ占有している中,大きなアブラガヤが目立つ.
ミゾソバがほぼ占有している中,大きなアブラガヤが目立つ.最後のプロットを調査する大竹先生と白川学芸員.
最後のプロットを調査する大竹先生と白川学芸員.自然館に戻り,調査内容を報告し合った.
自然館に戻り,調査内容を報告し合った.