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【イベント報告】千町原草原の保全活動ー夏の草刈りー

一年で最も暑い真夏の草刈りを前に一番気になったのは,やっぱりお天気でした.晴れたら暑いのは当然ですが,雨でもカッパが蒸れると中から暑くなってしまいます.何度も天気予報を見ましたが,当日の朝は,ガスがかかっていました.少し湿度が高いですが,カンカン照りよりはずいぶんましです.
今回の作業に集まったのは54人.地元の方や県内の方をはじめ,遠くは島根県の大田からも参加者がありました.8:10,山麓庵に集合し,地元を代表して前建生さんに挨拶していただきました.その後,作業の説明と安全に関する注意をして現地に移動し,いよいよ作業開始です.
今回は「植物が最も成長する時期に刈り取りをすることで,ノイバラなどを抑制する」というのが目的でした.19名の方がチェーンソーを持ってきて,一斉に刈り始めると,ススキやノイバラ,イヌツゲなどが,見る見る刈り払われていきました.借り倒されたものは,できるだけ草と木を分けて積み上げました.この目的は,あとから堆肥のための草を取るときに都合が良いことと,刈り取った草を除けることで地面に直接陽をあてて草花の芽生えを促すことです.
途中の休憩では冷たいお茶や飴,スイカ等が配られて,しっかりと水分を補給しながら作業を進めました.刈り取っていく間には,ノハナショウブやユウスゲの群生や,レンゲツツジの大きな株が現れました.普段は近寄らない場所なので,何度も千町原を歩いている人もビックリしていたようです.
お昼には作業を終え,山麓庵で豚汁を飲みながら,持ってきたお弁当を食べました.話題は千町原のことが中心です.高原の自然館から管理計画を提案しましたが,早くも「来年焼きましょう」という声も聞こえました.
草原は,人が管理することによって,はじめて維持される生態系です.今回,一人のけが人も無く作業を終えることができて,「あぁ,また続けることができるなぁ」と思いました.作業が進んだことそのものも嬉しいことですが,事故がなく,みなさんと意見交換やふれ合いができたことも大きな成果だと思いました.

草刈り前の状況.アカマツやノイバラが入ってきている草原.
草刈り前の状況.アカマツやノイバラが入ってきている草原.
飲み物と飴を準備して,小さいはらっぱー.
飲み物と飴を準備して,小さいはらっぱー.
ゴミはゴミ袋へ.大きなはらっぱー.
ゴミはゴミ袋へ.大きなはらっぱー.
朝霧が残る中,作業開始.
朝霧が残る中,作業開始.
刈り払い機で刈っていく.
刈り払い機で刈っていく.
刈られた草を集めていく.
刈られた草を集めていく.
どんどん草の山ができた.
どんどん草の山ができた.
第1回目の休憩までに,ずいぶんと刈れた.
第1回目の休憩までに,ずいぶんと刈れた.
ここで,大暮養魚場から氷が到着.
ここで,大暮養魚場から氷が到着.
ベテランの方から,歯の調整など,現地で話しが出る.
ベテランの方から,歯の調整など,現地で話しが出る.
氷はスイカのために.
氷はスイカのために.
木は草とは別に積み上げた.
木は草とは別に積み上げた.
見る見る見晴らしが良くなる.
見る見る見晴らしが良くなる.
この日,NHKのテレビクルーも取材に来てくださった.
この日,NHKのテレビクルーも取材に来てくださった.
協働の作業が続く.
協働の作業が続く.
このエリアは,まもなく終了.
このエリアは,まもなく終了.
奥にはユウスゲが咲く湿地群落があった.刈り残されるユウスゲ.
奥にはユウスゲが咲く湿地群落があった.刈り残されるユウスゲ.「えぃっ!」と放り投げて草小積みが作られる.
「えぃっ!」と放り投げて草小積みが作られる.刈り開かれた薮の中から,牧場造成時代の水路が現れた.
刈り開かれた薮の中から,牧場造成時代の水路が現れた.渡り鳥のために,ヨシ原は残した.
渡り鳥のために,ヨシ原は残した.
二回目の休憩ではスイカが登場.
二回目の休憩ではスイカが登場.
冷たいスイカにご満悦.
冷たいスイカにご満悦.
とにかくみんなでモクモク食べる.
とにかくみんなでモクモク食べる.
上野さんから,渡り鳥にとってのヨシ原の重要性について解説された.
上野さんから,渡り鳥にとってのヨシ原の重要性について解説された.燃料を補給.
燃料を補給.イヌツゲの薮に立ち向かう.
イヌツゲの薮に立ち向かう.
エイドステーションの自然館三人ムスメ2号&3号.
エイドステーションの自然館三人ムスメ2号&3号.
草の上で一休み.
草の上で一休み.
鎌でノイバラを根こそぎ掘り取る.
鎌でノイバラを根こそぎ掘り取る.
かなり奥まで進行中.
かなり奥まで進行中.
そして終了.
そして終了.八幡の若手コンビ.
八幡の若手コンビ.
作業を終えたはらっぱを背景に,最後に全員で記念撮影.
作業を終えたはらっぱを背景に,最後に全員で記念撮影.
三人ムスメ1号は,万が一の事態に備えて,本部で待機.
三人ムスメ1号は,万が一の事態に備えて,本部で待機.ノリウツギがよく咲いていた.
ノリウツギがよく咲いていた.
最後の休憩.このころになると,少し暑さが増した.
最後の休憩.このころになると,少し暑さが増した.にわかkidsプログラム.
にわかkidsプログラム.
子供達も生物を捕獲.
子供達も生物を捕獲.
草刈り機で刈るだけでも,ずいぶんと風景が変わる.
草刈り機で刈るだけでも,ずいぶんと風景が変わる.
山麓庵を吹き抜ける風が心地よかった.
山麓庵を吹き抜ける風が心地よかった.
銘々持参した「my椀」で豚汁を食べる.
銘々持参した「my椀」で豚汁を食べる.
地元を代表して,川内さんからご挨拶.
地元を代表して,川内さんからご挨拶.
最後の作業中.
最後の作業中.
お昼は豚汁60人前.お腹いっぱいになった.
お昼は豚汁60人前.お腹いっぱいになった.
草原や八幡のことについて議論中.
草原や八幡のことについて議論中.
はらっぱーのはらに乗ったはらっぱーのはらに乗ったはらっぱー.
はらっぱーのはらに乗ったはらっぱーのはらに乗ったはらっぱー.
今回は「myコップ・my箸・椀・コイン(参加費)」を呼びかけたところ,ゴミはわずかこれだけだった.また,ペットボトルのゴミもずいぶん持ち帰りいただき,感謝します.
今回は「myコップ・my箸・椀・コイン(参加費)」を呼びかけたところ,ゴミはわずかこれだけだった.また,ペットボトルのゴミもずいぶん持ち帰りいただき,感謝します.

【イベント報告】八幡湿原の植物と昆虫観察会

前日までの雨がウソのように晴れ渡った青空の下,32名の参加者の皆さんとともに八幡湿原の植物と昆虫の観察会が行われました.講師は和田先生,岩見先生です.尾崎沼の入り口のところからぐるりと1周しました.虫や花をみつけるとすぐに「これは?」「名前はなに?」と質問がとびだし,先生もすぐさま答えてくださいました.分からないものはその場で図鑑をひき,照らし合わせて名前を調べ,生態を教えてくださいました.堰堤までたっぷり1時間かけて歩き,そこからは細い道を1列に並んで歩きます.ササユリとノアザミがそこここに咲き,参加者を迎えてくれました.花と昆虫は密接な関係にあり,ノアザミとトラマルハナバチ,ミズチドリとヒメシジミ,バイケイソウとバイケイハムシ,オカトラノオとイチモンジセセリなど,様々な取り合わせを見ることができました.他にも物差しのような模様がついているモノサシトンボ,青リンゴガムの匂いのするオオヘリカメムシ,金色の目をしたシュレーゲルアオガエル,充血したような赤目のモリアオガエル,肉食のムシヒキアブ,オスがメスに餌のプレゼントをするヤマトシリアゲ,翅(はね)と後ろ足をこすりあわせて音を出すナキイナゴなどなど個性的な昆虫のオンパレードでした.植物では最初にクリの雌花と雄花のお話を聞き,秋とはまた違ったクリの姿を楽しみました.他にはかぶれの木と言われるヤマウルシ,ツタウルシの特長を教えていただいたり,ミズチドリの美しさを堪能したり,クマイチゴの実を少しだけ味わったり,日本のヘーゼルナッツと言われるツノハシバミの実を眺めたりと,とにかくたくさんの種類の植物・昆虫について教えていただきました.
個人的にはムラサキニガナの花が可愛らしく思ったことと,オオヘリカメムシの匂いをかいでみて,意外にいい匂いだったことが印象的でした.
観察会の最初に和田先生が「植物も昆虫も現地で楽しみましょう」とお話されました.この場所を訪れるひとすべてが,踏みあとをつけない,咲いているものなどを持ち帰らないという意識を徹底させることこそがこのすばらしい湿原を残していくことなんだと再認識させられました.
ハンカイソウやマアザミ,ノハナショウブが咲き,チョウ類が舞う美しい湿原の姿をいつまでも見続けたいと願い,観察会を終えて八幡湿原をあとにしました.
高原の自然館前に集合して今日の日程を聞く. お天気にも恵まれ観察会日和になった.
高原の自然館前に集合して今日の日程を聞く. お天気にも恵まれ観察会日和になった.
クリの雌花と雄花.雄花は花粉が運ばれるころには落ちる.
クリの雌花と雄花.雄花は花粉が運ばれるころには落ちる.
今回気をつけること3つのうちのひとつ. 「クマ」「ハミ(まむし)」それから写真の「かぶれの木(ヤマウルシ)」
今回気をつけること3つのうちのひとつ. 「クマ」「ハミ(まむし)」それから写真の「かぶれの木(ヤマウルシ)」
わからない種類はすぐさま図鑑で調べる.どうやらモノサシトンボの♀らしい.
わからない種類はすぐさま図鑑で調べる.どうやらモノサシトンボの♀らしい.
先生を先頭に左右に目を配り観察観察・・.
先生を先頭に左右に目を配り観察観察・・.
モノサシトンボに対抗して??ハカリノメを発見.これはアズキナシの別名で枝に白い目盛りのような模様があるため.
モノサシトンボに対抗して??ハカリノメを発見.これはアズキナシの別名で枝に白い目盛りのような模様があるため.
次なる発見を探しに進め!その前にメモメモ.
次なる発見を探しに進め!その前にメモメモ.
昆虫はじっくり見るためいったんケースに.観察後はもちろん逃がします.
昆虫はじっくり見るためいったんケースに.観察後はもちろん逃がします.
特長をよく見極めて名前を探す.ちびっこ虫博士の手にも使い込まれた昆虫図鑑が・・.
特長をよく見極めて名前を探す.ちびっこ虫博士の手にも使い込まれた昆虫図鑑が・・.
ニコちゃんマークの顔をしたマイマイガの幼虫.
ニコちゃんマークの顔をしたマイマイガの幼虫.
「芸北らしい」とりあわせ.ミズチドリとヒメシジミ.
「芸北らしい」とりあわせ.ミズチドリとヒメシジミ.
こちらはノアザミとトラマルハナバチ.このハチは後ろ足の太い毛に花粉をつけて運ぶ.
こちらはノアザミとトラマルハナバチ.このハチは後ろ足の太い毛に花粉をつけて運ぶ.
豊かな水が湿原をつくりだす.
豊かな水が湿原をつくりだす.
花が下から咲きあがるオカトラノオ.
花が下から咲きあがるオカトラノオ.
キリギリスの仲間のヒメギス.
キリギリスの仲間のヒメギス.
岩見先生,10年来の謎らしい穴.
岩見先生,10年来の謎らしい穴.図鑑片手に,先生のお話を熱心に聞くちびっこ虫博士. 何がいたのかな!?
図鑑片手に,先生のお話を熱心に聞くちびっこ虫博士. 何がいたのかな!?
道沿いにササユリがきれいに咲いていた.独特の香りが立ちこめる.
道沿いにササユリがきれいに咲いていた.独特の香りが立ちこめる.
昆虫を見る目がとても優しい岩見先生.同じ道を歩いても見つけ出すのがとても素早かった.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昆虫を見る目がとても優しい岩見先生.同じ道を歩いても見つけ出すのがとても素早かった.
翅(はね)を開いた時の模様が「逆さの八」だからサカハチチョウ.
翅(はね)を開いた時の模様が「逆さの八」だからサカハチチョウ.
擬態昆虫として有名なナナフシ.小枝のよう.
擬態昆虫として有名なナナフシ.小枝のよう.
雄が雌に食餌行動することで有名なヤマトシリアゲ. この雄はミミズをプレゼント.
雄が雌に食餌行動することで有名なヤマトシリアゲ. この雄はミミズをプレゼント.
和田先生の軽快なトークにかかると植物の生態がおもしろくなってくる.
和田先生の軽快なトークにかかると植物の生態がおもしろくなってくる.
熱心な質問にも熱心に答えて下さる岩見先生.片手にはトンボかな!?
熱心な質問にも熱心に答えて下さる岩見先生.片手にはトンボかな!?
トゲがでている木.オオウラジノキ.八幡名はヤマナシ.果実も見ることができた.
トゲがでている木.オオウラジノキ.八幡名はヤマナシ.果実も見ることができた.
林内にはハンカイソウが花盛り.緑に映える黄色の花がとてもきれいだった.
林内にはハンカイソウが花盛り.緑に映える黄色の花がとてもきれいだった.
おもしろい形のオニスゲの実.触ってみると思ったほど痛くない.
おもしろい形のオニスゲの実.触ってみると思ったほど痛くない.
こちらはつり下がった実が目立っていたゴウソ.
こちらはつり下がった実が目立っていたゴウソ.
池のほとりにはモリアオガエルの卵が何カ所もあった.
池のほとりにはモリアオガエルの卵が何カ所もあった.堰堤をわたりきり,見上げた先にはイワガラミが咲いていた.
堰堤をわたりきり,見上げた先にはイワガラミが咲いていた.
やっぱりこれを聞かないと.「全開でもハンカイソウ」.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりこれを聞かないと.「全開でもハンカイソウ」.
最後に集合して本日のまとめ.今日観察して一番印象に残ったものをひとりずつ発表.
最後に集合して本日のまとめ.今日観察して一番印象に残ったものをひとりずつ発表.
ちびっこ虫博士から,あこがれのトンボのカードをもらった岩見先生.いつか見られるといいね!!
ちびっこ虫博士から,あこがれのトンボのカードをもらった岩見先生.いつか見られるといいね!!
最後の堰堤のところでモウセンゴケの花を見つけて観察.
最後の堰堤のところでモウセンゴケの花を見つけて観察.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原実験地の植生調査

水路を設置してから3回目となる,夏の植生調査です.すっかり調査に慣れた方も,はじめての方も,合わせて16名が揃いました.高原の自然館で八幡湿原自然再生事業のパンフレットを見ながら,事業の内容や実験の意義についての説明をした後,調査地へと向かいました.
調査地では4つの班に分かれて,合わせて14個のプロットを調査しました.調査の指導をしていただいたのは,大竹邦暁さん,小宮啓吾さん,佐久間智子さんで,いずれも植物調査のプロです.各班とも問題なく調査を終えたようでした.今回は,杭の所に長いポールを立てていたので,プロットを見つけやすかったのも良かったようです.
調査が終わった後に感想を聞いてみると,継続的に参加している方からは,植生の変化のことが聞かれました.特に,一度ヒメシロネが増えた場所が,今年はヨモギが増えていたなど,小さな変化があることが挙げられました.また,あるプロットではコバギボウシがしっかりと増えていたそうで,これは嬉しい報告でした.
自然館に戻ってから一応解散とし,午後からは同定をしながら標本を作りました.雨が心配されましたが,1度ぱらついただけで済み,予定通りの調査を終えることができました.

4班に分かれて,早速調査開始.
4班に分かれて,早速調査開始.
みんなで小さなプロットに見入る.
みんなで小さなプロットに見入る.
こちらは対照区.ヨモギが多い.
こちらは対照区.ヨモギが多い.
初参加でも,即戦力.
初参加でも,即戦力.イとヒメシロネが増えたプロット.
イとヒメシロネが増えたプロット.
こちらはコバギボウシが叢生した.
こちらはコバギボウシが叢生した.
斜面下部ではオタカラコウとヨシが増えた.
斜面下部ではオタカラコウとヨシが増えた.
調査後に感想を言い合った.
調査後に感想を言い合った.
標本づくり&同定会.
標本づくり&同定会.
いろんな図鑑を駆使して調べる.
いろんな図鑑を駆使して調べる.
樹木も,小さいときには姿が違う.
樹木も,小さいときには姿が違う.
先輩といえど,譲れない!
先輩といえど,譲れない!

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植物と昆虫観察会

前日の大雨がウソのようにすっきり晴れ渡り,子どもたちの参加も多く,賑やかにはじまりました.まず,ルート説明・湿原再生事業について簡単な説明が有り,講師の自己紹介の後,水口谷湿原の木道へと進みました.野外の観察会での注意点として「ハチ」「毒ヘビ」「かぶれの木」の三点を気をつけつように言われました.そして,カモガヤ・オニウシノケグサ・ハルガヤの牧草を教えてもらい,ここで「毒ヘビ」ヤマカガシの登場です.捕獲され,首筋を押さえての安全体制での説明.排泄口の説明・ウロコの事・口の中の構造等々.こんな機会はめったにないからと,触ったりもしました.体温・肌触りなどなかなか興味深かったです.そして,ハルゼミの声「モゲ~モゲ~」と鳴く声に耳を傾け,アカマツ・クロマツの樹液を吸うこと,市内では5月の連休頃から鳴き始め,芸北では7月の上旬まで聞くことができるそうです.ミヤコイバラが良い香りを放っていました.毒を持つカバキコマチグモの巣の解体など今日は怖い体験もいろいろです.湿原にはオレンジ色の羽をしたカワトンボの♂がたくさんいました.ナキイナゴの大合唱と音の出し方は,確かに後ろ足と羽をこすって音を出していました.ハンノキ林ではハンカイソウがわずかに開き掛けていました.ヒロシマサナエはカワトンボより少し明るいところを好み,すでに♀の姿が多く,産卵に来ているようです.スイカズラも咲き,今度はエゾハルゼミの「ミョギーミュギーケッケッケッケッケ」と鳴き声.落葉広葉樹の樹液を吸うので,ここでしか聞けないそうです.オオヘリカメムシが良いにおいがすると怖々かいでみたり,貴重な体験でした.霧ヶ谷湿原に向かう途中では,ヒメシジミをたくさん見かけました.八幡湿原自然再生事業のパンフレットを見ながら霧ヶ谷湿原の3年間工事後の未来図を想像しながら,今現在をしっかり目に焼き付け,西中国山地自然史研究会で事前に行っている実験地で植生変化の説明を受けて観察会を終了しました.自然館に帰ってから今日の感想はヤマカガシ・カメムシのにおい・バッタの鳴くところ・クモなど様々でした.

今日の講師の和田先生(植物)と岩見先生(昆虫).
今日の講師の和田先生(植物)と岩見先生(昆虫).
今日の予定についての説明.
今日の予定についての説明.
前日の大雨がウソのように,すっきり青空.
前日の大雨がウソのように,すっきり青空.
ヤマカガシの説明.
ヤマカガシの説明.
ミステリーサークル.前日の雨と風の仕業かな?動物の足跡はない.
ミステリーサークル.前日の雨と風の仕業かな?動物の足跡はない.
イタチハギ.
イタチハギ.
かぶれの木「ヌルデ」です.注意!!
かぶれの木「ヌルデ」です.注意!!
カバキコマチギモの産卵の巣.
カバキコマチギモの産卵の巣.
カバキコマチグモの生態について詳しく説明を聞く.
カバキコマチグモの生態について詳しく説明を聞く.
今まさに巣作りの途中.
今まさに巣作りの途中.
ヒロシマサナエの♀発見.
ヒロシマサナエの♀発見.
子ども達も真剣.
子ども達も真剣.
水口谷湿原の木道にて.
水口谷湿原の木道にて.
ツユムシの抜け殻.触角まできれいに抜けている.
ツユムシの抜け殻.触角まできれいに抜けている.
スジモンヒトリガの幼虫.毛がふさふさ.
スジモンヒトリガの幼虫.毛がふさふさ.
マムシグサの♂♀確認.
マムシグサの♂♀確認.
ニオイをかいでみたり….
ニオイをかいでみたり….
イタヤハマキチョッキリ.背中が赤,腹が青のメタリックなゾウムシの仲間.飛ぶと派手.
イタヤハマキチョッキリ.背中が赤,腹が青のメタリックなゾウムシの仲間.飛ぶと派手.
先生も子ども達も「これは何かな?」と図鑑を引く.
先生も子ども達も「これは何かな?」と図鑑を引く.
ヒメシジミ.たくさん見られました.
ヒメシジミ.たくさん見られました.

【イベント報告】龍頭山の野鳥観察会

今回が初めてとなる龍頭山野鳥観察会ですが,18名の参加者が集まりました.どんぐり村の駐車場に集合し,目的地である龍頭山へと移動しました,最初の駐車場ではゴジュウカラの鳴き声が賑やかに迎えてくれました,しばらくするとピー,ピーという特長のある鳴き声が耳に入りました.この鳴き声の正体はトラツグミで,夜によく鳴くことから,昔の人は架空の動物「ヌエ」の声だと思い恐ろしがっていたそうです.今回の観察会では姿こそ見れませんでしたが,鳴き声を良く聞くことができたので,印象に残った方も多いようでした.またイカルの姿と鳴き声も確認できました.イカルは別名マメマワシといって,種子食であり,固い種子を食べるために強いくちばしと強い筋肉を持っている,というお話も聞きました.長い間,姿と鳴き声を披露してくれたのはホオジロです.メスを呼ぶためにオスは高い木の枝などにとまってさえずります.この鳴き声を「ゲンペイツツジ,シロツツジ」や「一筆啓上仕り候」と表すそうです.そう思って聞いていると,そう聞こえるような・・・.カラ類の特長としては,体が小さな鳥は高音で早くさえずり,大きくなるほど低音でゆっくりと鳴くそうです.実際にコガラはツッピーツッピーと甲高く忙しげにさえずっていました.一方ヤマガラは同じようにツツピーと聞こえてもややゆっくりと,そして低くさえずっていました.他にはものまねをして鳴くクロツグミ,コロコロコロと鳴くカワラヒワ,ギーギーと鳴くコゲラ・・とたくさんの種類の鳥を見たり,鳴き声を聞いたりすることができました.頂上付近にあるブナ林ではエナガ・コガラ・ゴジュウカラの混群を見ることもでき,短い時間で手軽に観察できる龍頭山を満喫することができました.鳥以外にも昆虫や植物,ヘビなど多岐に渡りじっくりお話を聞き,また触れることのできた内容の濃い観察会となりました.

朝6時に集合.車で駐車場にあがる途中もにぎやかに鳥たちのさえずりが聞こえた.
朝6時に集合.車で駐車場にあがる途中もにぎやかに鳥たちのさえずりが聞こえた.
イワツバメ.一見ツバメと見まがうが,違うところは足まで毛が生えているところ.
イワツバメ.一見ツバメと見まがうが,違うところは足まで毛が生えているところ.
車を止めたあたりで聞こえたイカルについての説明.甲高くゆっくりとしたテンポで鳴く.
車を止めたあたりで聞こえたイカルについての説明.甲高くゆっくりとしたテンポで鳴く.
「ツピツピツピ・・」とリズミカルに鳴いていたシジュウカラ.
「ツピツピツピ・・」とリズミカルに鳴いていたシジュウカラ.
鳴き声はするものの,なかなか姿が見つからない.そんな時は先生のフィールドスコープを見させてもらう.
鳴き声はするものの,なかなか姿が見つからない.そんな時は先生のフィールドスコープを見させてもらう.
今回の龍頭山のコースは歩きやすかったので,ゆったりのんびりと鳥の姿や声を探しながら歩くことができた.
今回の龍頭山のコースは歩きやすかったので,ゆったりのんびりと鳥の姿や声を探しながら歩くことができた.
途中の開けたところで見えた景色.朝の空気が清々しかった.
途中の開けたところで見えた景色.朝の空気が清々しかった.
あと数歩で頂上!!どんな景色が待っているのだろう!?
あと数歩で頂上!!どんな景色が待っているのだろう!?
頂上に到着.この日は晴れ渡り宮島の方まで見ることができた.
頂上に到着.この日は晴れ渡り宮島の方まで見ることができた.
頂上で展望を楽しんだあとは,ブナ林にいるカラ類の混群を見に下って移動.
頂上で展望を楽しんだあとは,ブナ林にいるカラ類の混群を見に下って移動.昆虫類・クモ類・草木の種子を採食する.その時に逆さになって木の幹を回るように歩く.
昆虫類・クモ類・草木の種子を採食する.その時に逆さになって木の幹を回るように歩く.仲良く戯れていたコガラ.この日はカラ類の鳴き声が良く聞こえた.
仲良く戯れていたコガラ.この日はカラ類の鳴き声が良く聞こえた.
落ちていないオトシブミ.
落ちていないオトシブミ.
長い間姿と声を披露してくれたホオジロ.
長い間姿と声を披露してくれたホオジロ.
そのホオジロを間近で見る.手に持っているのはミヤコグサ?
そのホオジロを間近で見る.手に持っているのはミヤコグサ?毒を持つヘビ,ヤマカガシ登場.毒がでるしくみを聞いたり,うろこをさわらせてもらった.
毒を持つヘビ,ヤマカガシ登場.毒がでるしくみを聞いたり,うろこをさわらせてもらった.
最後に集まり今日のまとめをした.今回は約20種類の鳥の鳴き声を聞くことができた.
最後に集まり今日のまとめをした.今回は約20種類の鳥の鳴き声を聞くことができた.