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【イベント報告】冬を生きる動物たちの生態

天気予報では雨となっていたため,お天気が心配されましたが,比較的暖かな気温に恵まれ,17名の参加者のみなさんが高原の自然館前に集合しました.積雪量は100cmほどでしょうか.雪上を歩くため,かんじきやスノーシューを準備して,観察会が始まりました.今回の講師は上野先生です.自然館前を出発し,目にとまった足跡や生き物をみんなでのぞき込み,上野先生の説明を聞きました.足跡を見たときは,まず指の数を数えたらよいことや,ウサギの足跡は前についてあるのが後ろ足であることを聞き,矢印のようなキジの足跡も見ました.カワゲラの仲間やハエの仲間,ガガンボやトビムシといった雪上で生活している昆虫もいました.観察しながらその生態や生命力に驚く声が参加者よりあがりました.雪原を通りきり,森のそばに近づいたとき,一瞬ではありますが,ウサギの姿を見ることができました.ウサギがいたと思われる穴を,上野先生が探し出し観察しました.木の根元の藪のようなところが入り口で,思った以上に奥行きがあり,キツネなどの天敵から身を守る為の工夫がされていることがわかりました.動物以外にも,植物の冬の姿も見ました.ドライフラワーのようなノリウツギ,雪の上に落ちているカラコギカエデの種子,鳥のフンによって種子散布がされているヤドリギノの種子などです.観察会を通して,動植物の冬の生態,冬を越すための戦略など多岐に渡るお話を聞くことができました.また雪の感触を充分に感じた観察会となりました.

かんじきを初めて履く参加者もいて,ひもの結び方にとまどっていた.
かんじきを初めて履く参加者もいて,ひもの結び方にとまどっていた.
色とりどり,形さまざまな雪歩きのアイテムが揃った.
色とりどり,形さまざまな雪歩きのアイテムが揃った.
歩き始めてすぐ,小さな小さな昆虫を発見.みんなで近寄って観察.
歩き始めてすぐ,小さな小さな昆虫を発見.みんなで近寄って観察.
目をこらしてみると,確かにいる! これはトビムシ.
目をこらしてみると,確かにいる! これはトビムシ.
踏みあとのない雪の中をさくさくと歩く.少し重ための雪だった.
踏みあとのない雪の中をさくさくと歩く.少し重ための雪だった.雪景色の中,目立っていたカラコギカエデの種.
雪景色の中,目立っていたカラコギカエデの種.
目の前に現れたジョウビタキのオス.おなかのオレンジ色が特長だ.
目の前に現れたジョウビタキのオス.おなかのオレンジ色が特長だ.
ウサギがかじったカラコギカエデの枝.
ウサギがかじったカラコギカエデの枝.
横に2つ,縦に2つが特長のウサギの足跡.
横に2つ,縦に2つが特長のウサギの足跡.
扇谷の上では風が強く,びょうびょうと吹いていた.
扇谷の上では風が強く,びょうびょうと吹いていた.ノリウツギは花びらがそのまま残っており,目を楽しませてくれた.
ノリウツギは花びらがそのまま残っており,目を楽しませてくれた.
ヌルデの冬芽.
ヌルデの冬芽.これは・・? ウサギの寝床の入り口を発見.
これは・・? ウサギの寝床の入り口を発見.
交代で穴の中をのぞき込んでみる.
交代で穴の中をのぞき込んでみる.
ヤドリギの実を食べた鳥のフン. ねばねばしているので,木につきやすくなっているそう.
ヤドリギの実を食べた鳥のフン. ねばねばしているので,木につきやすくなっているそう.
ツグミのフンかな? カンボクを食べたよう.
ツグミのフンかな? カンボクを食べたよう.カンボクの味見をしてみた. 「えぐい・・」
カンボクの味見をしてみた. 「えぐい・・」
橋の上の積雪を見ると70cmほどだった.
橋の上の積雪を見ると70cmほどだった.
最初は歩きづらそうだった子どもの参加者も最後には雪に慣れ,楽しそうに歩いていた.
最初は歩きづらそうだった子どもの参加者も最後には雪に慣れ,楽しそうに歩いていた.
風で折れて下に落ちていたヤドリギ.せっかくの機会なので,種を観察.
風で折れて下に落ちていたヤドリギ.せっかくの機会なので,種を観察.
ヤドリギの下でまとめをして,解散した.
ヤドリギの下でまとめをして,解散した.

【イベント報告】野鳥の観察

積雪はあるものの晴天に恵まれ,寒さもなんのそので熱心な10名で観察会の始まりです.下見済みの先生についてまずは千町原を通ると,途中キレンジャクを見ることができました.今年の群れは少数グループだそうです.大陸などのえさの状況で越冬数は変わるそうです.それからノスリ.冬鳥で単独行動縄張りを持つので八幡では数羽であろうということでした.八幡では開けたところでネズミを捕食しているのだそうです.今年は霧ヶ谷湿原自然再生地でも見ることができるそうです.集落付近ではハシボソガラス・ハシブトガラス・キジバトが見られ,カラマツの幹でコゲラがちょこちょこしていました.混群でシジュウカラもいました.滝平の公道からはここでもノスリを見ることが出来,ツグミも群れでツルウメモドキを食べていました.ホオジロやヤマガラがチカラシバの実をついばんでいる所を見ることができ,足跡や羽跡が残る雪上の状況を確認することができました.ハタネズミのはい出した穴や足跡も積雪ならではの観察です.先生も4・5年ぶりに見たというコチョウゲンボウも確認し,ここではその他にオオカワラヒワ・アカゲラ・モズ♂・エナガ・ジョウビタキ♀・ハヤブサ・セグロセキレイも観察することができました.霧ヶ谷湿原に移動してここではオオマシコを見ることがでました.雪の中でもたくさんの鳥に出会えて,その他キツネ・タヌキ・イタチ・ウサギの足跡も確認でき,とても楽しく嬉しい気持ちで観察会を終えました.[やなぎざきのぶこ]

千町原ではキレンジャクを観察.
千町原ではキレンジャクを観察.
ヒレンジャクとの違いを図鑑で確認.
ヒレンジャクとの違いを図鑑で確認.
滝ノ平を歩いてみよう.
滝ノ平を歩いてみよう.
霜の付いた木々がクリスマスツリーみたい.
霜の付いた木々がクリスマスツリーみたい.
カンボクの赤い実も氷に包まれていた.
カンボクの赤い実も氷に包まれていた.
ノウサギの足跡.
ノウサギの足跡.
陽が射すと,苅尾の峰が輝いていた.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽が射すと,苅尾の峰が輝いていた.
ワシやタカよりも,インコに近縁というハヤブサ.
ワシやタカよりも,インコに近縁というハヤブサ.
静かにオオマシコを観察.
静かにオオマシコを観察.
再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
高原の自然館に戻り,観察した生き物を復習した.
高原の自然館に戻り,観察した生き物を復習した.

【イベント報告】巣箱・かんじき作り

観察会当日の朝,八幡の積雪量は22cmという,かんじき作りにはぴったり(?)のお天気のなか,11名の参加者のみなさんが集まりました.
まずは坂井先生に教えていただくかんじき作りからです.あらかじめ先生が用意してくださったミヤマガマズミを曲げて作った輪をそれぞれ手にし,8mに切ったロープを巻いていきます.何度も先生の手元をみながら進めていくのですが,慣れるまで,といては巻き・・を繰りかえしました.雪の中で少しでも歩きやすくするため,かんじきには様々な工夫が凝らされていることも分かりました.坂井先生の「作る過程の全部に意味がある」という言葉がとても印象的でした.四苦八苦しながら自分の手で作り上げたかんじきは,少々いびつな巻き跡もありましたが,使うほどに愛着がわくだろうな,と感じました.また,自分で作り上げると言うことは,メンテナンスも自分でできるという利点もあることがわかりました.昔から受け継がれている文化を大切にしたいね,という声も参加者よりあがりました.
続いて,暮町先生に教えていただく小鳥の巣箱作りは,3名の方が熱心に製作されました.木を切り出し,組み立てていく作業は,普段木工をされない参加者にとっては,少々むずかしそうではありましたが楽しんで取り組まれていました.今から巣箱をかけておくとヤマガラやシジュウカラが冬の間に利用し,春からは子育てにも使うだろうとのことでした.これも冬の楽しみのひとつになりそうです.観察会が終わる頃にもまだ雪は降っていました.これから冬本番になりますが,冬ならではの自然観察や楽しみ方を改めて感じた観察会となりました.[こうのやよい]

今日の講師,坂井先生と暮町先生のあいさつから始まった.
今日の講師,坂井先生と暮町先生のあいさつから始まった.
片足で8メートル使用するロープを計測し,切る.
片足で8メートル使用するロープを計測し,切る.
坂井先生が用意してくださったかんじきの輪.ミヤマガマズミは「わなぐし」という方言で呼ばれる.
坂井先生が用意してくださったかんじきの輪.ミヤマガマズミは「わなぐし」という方言で呼ばれる.
どれにしようかなぁ〜と選ぶ.
どれにしようかなぁ〜と選ぶ.
右足と左足の確認.とっても重要!
右足と左足の確認.とっても重要!
長いひもにてこずっています.
長いひもにてこずっています.
だいぶ形になってきた!
だいぶ形になってきた!単純なようでむずかしい作業に,いつしか無言になって・・
単純なようでむずかしい作業に,いつしか無言になって・・
こちらは巣箱の製作.まずは板を切ることから.
こちらは巣箱の製作.まずは板を切ることから.
一生懸命切る!
一生懸命切る!
巣箱の要,巣穴をあける作業.機械を使えばあっという間だ.
巣箱の要,巣穴をあける作業.機械を使えばあっという間だ.
できあがったかんじきを早速はいてみる.
できあがったかんじきを早速はいてみる.
暮町先生より巣箱の利用法を教えていただき,解散となった.
暮町先生より巣箱の利用法を教えていただき,解散となった.

【イベント報告】ゴギの産卵観察会

昨夜の雨がすっかりあがり,暖かな観察会の朝となりました.八幡高原センターに11名の参加者が集まりました.今回の講師の内藤先生より,ゴギの生態についての詳しい説明から始まり,繁殖の様子がわかるビデオを見て現地での観察に備えました.ゴギは「日本海側の川の最上流域に生息するイワナ」といわれていますが,発見した場所がはっきりと特定されておらず,変異の経緯上でもイワナの分類は困難であることが資料や先生からのお話でわかりました.またゴギの地方名や,学名のお話,ヤマメやアマゴ,サツキマスのお話と多岐に渡り興味深い知識を得ることができました.産卵の様子も,先生が撮られたビデオをもとに,じっくりと解説していただき,現地での観察がますます楽しみになりました.はやる気持をおさえ,車に分乗して,現地へ向かいました.移動の途中では見頃を迎えている紅葉が秋を感じさせてくれました.昨年の観察会でゴギの姿を見ることのできたポイントでは,今回は見る事ができず,産卵床だけ確認できました.今朝内藤先生がペアを確認したというポイントでも,見ることができず,今日は姿をみるのはむずかしいかな,という話をしていたところ,別のポイントで先生が手招きをするので近寄ってみると,ゴギのペアがいました!メスが産卵床を掘り,オスはメスに近づこうとする別のオスを追い払っては,また近づき・・という行動をくりかえしていました.道路沿いからよく見える場所だったので,メスのおなかが婚姻色で赤いことや,大きさから2年目同士のペアだということ,産卵床の砂が掘られてガレが見えることなど,肉眼でも確認することが出来ました.産卵するにはもう少し時間がかかるだろう,とい先生が言われていたので,観察会中に産卵の様子を見ることはできませんでしたが,ゴギの産卵生態がとてもよくわかりました.例年に比べ,早い時期の観察でしたが,参加者全員でじっくりとゴギの姿,生息環境を目の当たりに見ることができ,楽しい観察会となりました.

最初に高原センターに集まり,資料を見ながら内藤先生のお話を聞く.
最初に高原センターに集まり,資料を見ながら内藤先生のお話を聞く.
産卵については,ビデオを見ながら詳しく解説していただく.
産卵については,ビデオを見ながら詳しく解説していただく.
最初のポイントに到着.ここにでは姿を見ることができなかった.
最初のポイントに到着.ここにでは姿を見ることができなかった.
橋の下に作られた産卵床.ドロなどが払われて石が現れている.
橋の下に作られた産卵床.ドロなどが払われて石が現れている.
次なるポイントへ移動.内藤先生が,そっと近づき確認.残念・・ここにもいなかった.
次なるポイントへ移動.内藤先生が,そっと近づき確認.残念・・ここにもいなかった.
川を気にしつつ,景色も楽しむ参加者.
川を気にしつつ,景色も楽しむ参加者.
流れがあまり速くなく,水深も浅い場所がゴギの産卵床に適しているようだ.
流れがあまり速くなく,水深も浅い場所がゴギの産卵床に適しているようだ.
やっとゴギの姿を見ることができた!警戒心が強い魚なので,観察はそろーり,そろーり.
やっとゴギの姿を見ることができた!警戒心が強い魚なので,観察はそろーり,そろーり.
奧がオスで,手前がメス.オスがメスに近づいたり,離れたりをずっと繰り返していた.
奧がオスで,手前がメス.オスがメスに近づいたり,離れたりをずっと繰り返していた.
寄り添っているペア.産卵まではもう少し時間がかかりそうだ.
寄り添っているペア.産卵まではもう少し時間がかかりそうだ.ゴギの方もギャラリーに慣れてきた??肉眼でも見えるけれど,双眼鏡を使ったら,体の模様などがはっきりと見えた.
ゴギの方もギャラリーに慣れてきた??肉眼でも見えるけれど,双眼鏡を使ったら,体の模様などがはっきりと見えた.
時折メスが体をひるがえし,尾で産卵床を掘る.おなかに見える赤い色は,メスの婚姻色.
時折メスが体をひるがえし,尾で産卵床を掘る.おなかに見える赤い色は,メスの婚姻色.
ゴギの特長である,白い斑点が頭部まであるのがわかる,
ゴギの特長である,白い斑点が頭部まであるのがわかる
最後にまとめをして,解散.さきほどのゴギのカップルが無事産卵できることを祈って.
最後にまとめをして,解散.さきほどのゴギのカップルが無事産卵できることを祈って.

【イベント報告】紅葉と冬芽の観察会

午前中から引き続き参加された方も含め,8人で掛頭山へ行きました.現地へ行く前に,今日の資料「広島県産落葉樹木冬芽図譜」齋藤隆登氏作成を見ながら,101種の中から掛頭山で見られるであろう植物のチェックをしました.山頂までは上がらず臥竜山からの縦走路が合流する付近に車を止めて,しばらく車道を歩きました.まだ紅葉していない木も多く,つい葉っぱで特定してしまいがちになりながら,クリの枝を例に,去年今年の成長度,すでにできている冬芽の確認,樹皮の特徴などのお話を聞きました.

ウリハダカエデの冬芽や樹皮,ヌルデの枝にめり込んだ冬芽と馬蹄形の葉痕,エゴノキの上下2段構えの冬芽は虫に食べられるなどハプニングが有ったときの予備で有ること,やはり2段構えのアサガラの芽,リョウブの樹皮や枝振りの話,同じカエデでもイタヤカエデやウリハダカエデの冬芽とオオイタヤメイゲツやハウチワカエデなどの冬芽は違っていてハチマキをして毛が生えている,カシワのかたまった複数の冬芽や樹皮,コシアブラの葉痕に見られる維管束痕は11コでタカノツメの7コと区別出来る事など,たくさんのものを観察し,車の往来が激しいので登山道へと進みました.林内には下生えとしてチュウゴクザサがあり,イヌシデの枝の毛,アズキナシのちょっとふっくらした芽で別名ハカリノメのとおり枝に白く点々が見られる事,その他ウワミズザクラ・ブナ・スノキ・サルナシ・ハリギリ・ハウチワカエデ・オオウラジロノキ・ヤマハンノキなど観察しました.登山道から再び車道を歩いて下山しましたが,ウリハダカエデの紅葉など美しい中,のんびりと楽しく観察会ができました.下山中道路にクマのフンが多数有ったのにはみんなびっくり.落とし物を踏まないよう気をつけて歩きました.

掛頭山で見られるものは?
掛頭山で見られるものは?
講師の斉藤先生.
講師の斉藤先生.
クリとはわかるんですが...
クリとはわかるんですが...
虫眼鏡でじっくり観察.
虫眼鏡でじっくり観察.
登山道に入った.
登山道に入った.
ここでも 冬芽や葉痕をじっくり観察.
ここでも 冬芽や葉痕をじっくり観察.
ブナはまだ黄葉していない.とがった冬芽.
ブナはまだ黄葉していない.とがった冬芽.
カシワの黄葉とどんぐり.
カシワの黄葉とどんぐり.
ウリハダカエデの紅葉と種.
ウリハダカエデの紅葉と種.
リンドウが咲いていた.
リンドウが咲いていた.道路に出たら空がきれいだった.
道路に出たら空がきれいだった.
モミジの紅葉を楽しみながら下山.
モミジの紅葉を楽しみながら下山.
足元注意,クマのフン有り.
足元注意,クマのフン有り.
ホオノキの葉っぱ.
ホオノキの葉っぱ.
のんびりと観察会終了.
のんびりと観察会終了.