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【イベント報告】龍頭山の野鳥観察会

  • 開催日時:2013年6月9日(日) 6:00
  • 講師:上野吉雄

 雲がかかった涼しい気温の中,龍頭山の野鳥観察会が行われました.豊平どんぐり村に17名が集合し,講師の上野先生のお話を聴いたあと,車で龍頭山の登山道入口に移動しました.移動してすぐ,キビタキを見つけました.木の上で動かずにさえずりをしていたため,フィールドスコープを使って,じっくりと観察することができました.近くにある電線の上には,エサをくわえたシジュウカラが止まっていました.電線の途中にコケがはみ出している箇所があり,そこに営巣していることがわかりました.樹木ではなく電柱に営巣した方が,天敵の1種であるヘビに襲われにくいことを上野先生が話されました.観察を続けていると「キョロロロ・・・」とさえずりが聞こえてきました.アカショウビンです.辺りを見回していると,山から山へと飛ぶ姿を見ることができました.山の中腹の開けた場所では落鳥したホオジロを発見しました.抱卵斑(ほうらんはん)があり尾羽がとがっていたため,メスの若鳥だと,上野先生が解説されました.引き返して山を下りている途中,「シシシシシ・・・」と,虫の鳴き声のような尻上がりのさえずりが聞こえました.これは,ヤブサメという鳥のさえずりで,つがいになれなかったオスが,他のつがいの子育てを手伝うという変わった習性があるということを聞きました.駐車場まで戻り,近くにある溜め池に向かいます.溜め池の近くでは,2羽のサンコウチョウが縄張りを主張するように,お互いにさえずり合っていました.姿は見られませんでしたが,長い時間,美しい鳴き声を楽しませてくれました.観察会の終了後も引き続き観察をされる方もおり,時間を忘れて,野鳥の魅力を堪能できた観察会となりました[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「ヤブサメの鳴き声」「アカショウビン,サンコウチョウ」「ホオジロの体の細かい説明」「キビタキがよく見えた」「駐車場でのキビタキの争い」「キビタキの黄色がきれいだった.サンコウチョウの鳴き声が聞こえた事」「キビタキの美しさ!」「キビタキの黄色がとってもきれい.動いてる野鳥がはじめて見れました.」「サシバ」「飛んだアカショウビン.カエル3種」「アカショウビンの飛翔.モリアオガエル,シュレーゲルとの違い」「上野先生の解説」「キビタキがきれいでした」「キビタキ,ゆっくり見せて頂きました」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「ホオジロ♀落鳥残念ですが,ホオジロを見ながら色々なご説明を頂きとても勉強になりました」「サンコウチョウの姿を見たかった」「多くの鳥のなき声がゆっくり聞けて楽しかった」「サンコウチョウが見えそうで見えなかったのが残念」「イロイロな鳥のサエズリが聞けてよかったです.できれば姿が見れるともっと良いのでしょうが」「鳥の鳴き声ですぐに名前がわかってよかった」「30種類もの確認に驚き(数の多さ)」「たくさんの野鳥がいるんですね.耳をきたえてないとわかりません.」「多くの野鳥が里山にいるものだと感じた」「上野さん,白川さんのお話がとても面白く興味深かったです」「アカショウビン2回も飛ぶのが見えてうれしかった」「初めて参加しましたが,鳥だけでなくカエルや植物まで観察でき有意義でした」「上野先生のはなしが詳しくておもしろかった.鳥だけでなくカエル,昆虫,植物も観察できてよかった」「鳥だけではなくてカエルなども楽しめました」

具体的に

「野鳥の生態の説明がおもしろかった」「おすすめのCDとかあれば紹介して欲しい」「フレンドリー」「朝早いのにスタッフさん講師の方大変ですね」「よく解り易く説明あり」「生態の説明が興味深い」

自由記入

「ありがとうございました」「又,是非きたいです」「また来たいです!!」

写真

ホオジロが枝先に止まっていた.
ホオジロが枝先に止まっていた.溜め池の周りではサンコウチョウや,アカショウビンのさえずりが聞こえる.
溜め池の周りではサンコウチョウや,アカショウビンのさえずりが聞こえる.空を飛んでいるサシバ.観察会終了後に姿を見せた.
空を飛んでいるサシバ.観察会終了後に姿を見せた.落鳥していたホオジロのメス.近くでは,つがいと思われる個体が,こちらを見ていた.
落鳥していたホオジロのメス.近くでは,つがいと思われる個体が,こちらを見ていた.集合して,確認された鳥の種類を話し合った.
集合して,確認された鳥の種類を話し合った.登山道に咲いていたコアジサイ.
登山道に咲いていたコアジサイ.

【イベント報告】初心者のための登山教室〜高岳に登ろう〜

  • 開催日時:2013年6月2日(日) 10:00
  • 講師:

 ひろしま「山の日」県民の集いの八幡高原会場で,初心者のための登山教室が行われました.霧雨が降る中,21名の参加者が山麓庵に集合して,今回の講師をされる日本山岳会のメンバーの紹介や日程のお話がありました.今回登る高岳は,急斜面が少なく,頂上までの距離も短いため,これから登山を始められる方にも向いていることや,山の中での歩き方などを説明していただきました.その後,高岳の登山道入口まで車で移動して,準備運動を終えるといよいよ登山開始です.列の前後と中央に講師が入り.ペースの調整や休憩の合図,急斜面などのすべりやすい場所では一旦止まって声を掛けるなど,ゆっくりと登りました.途中の休憩時間では,呼吸の取り方を教わりました.呼吸を乱さないくらいのペースで歩くこと,乱れた時はまずはしっかりと吐き出すと自然と吸えること,歩くリズムに合わせて呼吸をすると良いことなどを解説されました.休憩を終えてしばらく登ると頂上につきました.頂上は整備されて開けた場所になっていました.講師の方が「ここは毎年山岳会が整備をしていて,少しずつ展望を良くしている.今日はあいにくの天気だが,天気の良い日は聖湖と臥竜山,恐羅漢,聖山などを見渡すことができますよ」と,話されました.昼食を取り,一息ついた後は,下山を始めます.下山の前にストックの講習を受けました.「ストックを上手に使うと,足にかかる負荷の分散とバランス取り,滑り止めを兼ねることができ,特に下山が楽になります」と,ストックを使った歩き方を見せていただきました.山を下って登山口に着き,クールダウンをして現地での解散となりました.一緒に登った参加者と意気投合できたり,今日教わったことを活かしてまた山に登ってみようと,新鮮な発見ができた登山教室となりました[ありみつまさかず]

写真

1列になって高だけを登る.この頃には雨がやんでいた.
1列になって高だけを登る.この頃には雨がやんでいた.配られた資料.高岳までのルートと,山での歩き方などが載っていた.
配られた資料.高岳までのルートと,山での歩き方などが載っていた.今回講師をされる日本山岳会広島支部のメンバーの紹介.
今回講師をされる日本山岳会広島支部のメンバーの紹介.登山道入口ではヤブデマリが咲いていた.
登山道入口ではヤブデマリが咲いていた.歩くリズムに合わせると呼吸をしやすいことを聞いた.
歩くリズムに合わせると呼吸をしやすいことを聞いた.1輪だけ咲いていたヤマボウシ.頂上では満開のものもあった.
1輪だけ咲いていたヤマボウシ.頂上では満開のものもあった.頂上に到着.臥竜山や恐羅漢などがどの方向にあるか教えてもらった.
頂上に到着.臥竜山や恐羅漢などがどの方向にあるか教えてもらった.

【イベント報告】ブナ林の野鳥観察会

  • 開催日時:2013年5月19日(日) 5:00
  • 講師:上野吉雄

まだうす暗い早朝5時に,14名の参加者が臥竜山の雪霊水前に集合しました.鳥の専門家,上野先生が講師です.
雨が降りそうで気温が低い時間帯なので,鳥は活動していないだろう・・と思ったら,にぎやかなミソサザイの鳴き声が私たちを迎えてくれました.
ミソサザイは名前の通り,「味噌」の色をした小さな野鳥で,鳴き声が早口で高い声でさえずり,一度聞いたら覚えやすいような気がします.この観察会が実施された3時間の間,どの場所でもミソサザイのさえずりを聞くことができました.
アカショウビンの声も聞こえたので,しばらく観察していましたが,残念ながら姿をみつけることはできませんでした.
車道を歩き進みながら,上野先生の解説を聞きました.
参加者の方から,「トビくらいの大きい鳥がいた!」との声があがり,みんなで見ていると,確かに大きめの鳥が翼をひろげ,木の間をぬうように飛んでいました!中型の猛禽類のオオタカでした.オオタカは開けた山野に生息し,ハトなどをえさにしているそうです.
一瞬でしたが,観察できたのでとても幸運でした.
観察した場所は臥竜山の8合目あたりで,車道沿いの林床はササがほとんどなく,クロツグミなどの大型ツグミにとってはミミズなどがよく捕とれるとのことでした.
ミミズをえさにしているクロツグミもいました.フィールドスコープでクロツグミを見ると,黒い体に黄色いくちばし,アイリング(目のまわりのふちどり)が可愛らしく,何度も覗き込んだり,写真を撮ったりして,観察を楽しみました.
他にも,短い鳴き声が特徴的なクロジ,おなじみのウグイスやヤマガラ,最近増えている特定外来生物のソウシチョウなど,全部で21種類の野鳥を確認しました.
参加者の方から,「昔はおみくじ引きのヤマガラがいた」という話を聞きました.鳥と人間の関わりが興味深かったです.こういったお話を聞けるのも,観察会の醍醐味です.
今回も早朝のブナ林で野鳥を楽しむことができました.(こうのやよい)

みなさんの印象に残った物

「鳥の姿が少ないものの,声を聞くが出来て良かった.特にクロジのさえずりがめずらしい」「虫こぶ」「クロジがよく見れた」「虫こぶ」「アカショウビンの鳴き声が近くて感動」「木の穴から顔を出したミソサザイ」「雨」「虫コブ」「ホトトギスの声を初聴したこと」「クロツグミをしっかり見られた」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「雨と思ったが,以外に天候良く,見晴らしがきき良い観察会でした.でに終了時はやっぱり雨!でも良かった」「人数が多いと山の探鳥会はむずかしいことが多いですが,よく取りが出ました」「楽しかった」「葉がたくさんでていて,みえにくかったかな」「アカショウビンが見れなくて残念!」「雨もまたたのし」「寒いし,雨でしたが,クロジのさえずりが聞けたのがよかったです」「色々な鳥の声が聞くことができて楽しかった」「アカショウビンは声のみ,残念」

具体的に

「鳥,植物に関する詳しい説明があり理解しやすい」「生態系を教えてもらえて,興味深い」

自由記入

「また来年を楽しみにしています」「小声で個人的に話している.質問にもよく答えていただいた.」「ありがとうございました」「雨の中ありがとうございました

写真

例年のごとく雨で始まる観察会となった.
例年のごとく雨で始まる観察会となった.鳴き声が聞こえるものの,姿を捉えるには根気が必要.
鳴き声が聞こえるものの,姿を捉えるには根気が必要.フィールドスコープと携帯電話のカメラを組み合わせて撮影にトライ.
フィールドスコープと携帯電話のカメラを組み合わせて撮影にトライ.キツツキの仲間が開けたと思われる穴.
キツツキの仲間が開けたと思われる穴.ウスギヨウラクの花がきれいに咲いていた.
ウスギヨウラクの花がきれいに咲いていた.ブナの葉の上で見つけたムシコブ.きれいなピンク色だった.
ブナの葉の上で見つけたムシコブ.きれいなピンク色だった.

【イベント報告】大潰山の春植物観察会

  • 開催日時:2013年5月18日(土) 9:30
  • 講師:暮町昌保・佐久間智子

 春の里山として定番となった大潰山の観察会には12人の参加者が集いました.今回も大佐スキー場のレストハウスをお借りして,登山の前に大潰山の来歴を学習しました.地元の苅屋形地区からの参加者もあり,佐久間先生のお話に加えて,昔の山との関わり方などもお聞きすることができました.
 室内での講義の後,車に分乗して登山口に向かいます.車から降りると,早速観察の始まりです.暮町先生からが「昨年の観察会で見付けた」フデリンドウを見せて下さいました.足下をよーく観察すると,小さな花がたくさん開いています.
 登山道に入ってからは,ツリバナ,ミヤマガマズミ,ウスギヨウラクなど,低木がたくさんの花を付けていました.今年は特に花が多いように感じます.また,林床には,今日のメインであるスミレの仲間が咲いていました.ニョイスミレがちょうど盛りの頃で,オオタチツボスミレ,タチツボスミレ,スミレサイシンなどは既に終わりかけでした.登山道の途中には,チゴユリ,タチシオデ,コケイラン小さな草花が見られました.ギンリョウソウはまだ顔を出し始めたばかりでした.
 大きな炭焼き窯跡のところで一休みすると,そこから先は少し急坂になります.頂上に近づくとダイセンミツバツツジの株が増えてきます.ただ,今年は花付きが少ないようで,登山道では花が少ないように感じました.登山道沿いに見えたメギやアケビの小さな花には,参加者から「良く見るとかわいい!」と感激の声が上がっていました.フモトスミレやニオイタチツボスミレなど,登山道の下の方では見られなかった種も観察できました.
 山頂では,晴れ渡った空の下で,お弁当を食べ,大佐側の下山ルートに向かいました.こちらでは,レンゲツツジやキシツツジなども見られました.とても急なルートなので,一気に湿地までくだりました.湿地ではバイケイソウやハンカイソウが大きな葉を広げていました.
 最後に,大佐スキー場の駐車場でまとめをして解散しました.天気も良く,登山には最適の日でした.花も多く,ツツジの仲間,スミレの仲間を堪能できました.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「ツツジの種類がよく分かりました」「スミレの種類が少しおぼえられたこと」「麓スミレが2輪あったこと」「スミレの種類の多さにおどろいた」「天気も良く楽しかった」「ダイセンミツバツツジがたくさん見られた事」「特にスミレ類の種がよくわかりました」「山の上の方にキシツツジがあること.川だけじゃないのねェ〜」「つつじ,すみれ」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「花だけではなく,木も教えていただいてよかったです」「とっても勉強になりました.他の季節にも参加したいと思います」「カラスシキミ見にきたが発見できず」「これからも勉強したい」「スミレの解説が非常に良かった」「初めて参加させて頂いてとても楽しかったです!」「とても楽しかったです」「ワイワイ楽しかった」「よかったです」

具体的に

「今回ぐらいの人数が説明を聞きやすく良い」「行動しやすい人数で説明も聞きやすく良かったです」「参加人数も少なかったためか,分かりやすく説明してもらった所」「多くの種類のスミレや木を見ることができた」

自由記入

「先生のコメントもあったが秋にも実施してほしいですネ」「又是非参加させていただきますのでよろしくお願いします!」「ありがとうございました.又参加させて下さい」

写真

大佐スキー場のレストハウスで,佐久間先生のレクチャーを聴いた.
大佐スキー場のレストハウスで,佐久間先生のレクチャーを聴いた.フデリンドウについて解説される暮町先生.
フデリンドウについて解説される暮町先生.大潰山は,登山口から見どころがたくさんある.
大潰山は,登山口から見どころがたくさんある.ハウチワカエデ.もう実が膨らみはじめていた.
ハウチワカエデ.もう実が膨らみはじめていた.アセビの新芽.
アセビの新芽.ギンリョウソウは,顔も覗かせたばかり.
ギンリョウソウは,顔も覗かせたばかり.花火のようなタチシオデの花.
花火のようなタチシオデの花.オトコヨウゾメ.
オトコヨウゾメ.カシワ.芽生えとともに咲く.
カシワ.芽生えとともに咲く.山頂にあってもキシツツジ.
山頂にあってもキシツツジ.アケビがたくさんの花を付けていた.
アケビがたくさんの花を付けていた.コバノガマズミ.
コバノガマズミ.ふもとではレンゲツツジが咲いていた.
ふもとではレンゲツツジが咲いていた.炭窯について話される暮町先生.
炭窯について話される暮町先生.大きな炭窯.周りの植生,水,土と,条件が整ったところにしか作られない.
大きな炭窯.周りの植生,水,土と,条件が整ったところにしか作られない.ダイセンミツバツツジ.今年は花が少ない.
ダイセンミツバツツジ.今年は花が少ない.ツツジの小径を下る.
ツツジの小径を下る.かつては使われていた山.
かつては使われていた山.ゲレンデの下で,まとめをする佐久間先生.
ゲレンデの下で,まとめをする佐久間先生.ウスギヨウラク
ウスギヨウラク

【イベント報告】サクラソウ観察会

  • 開催日時:2013年5月6日(月) 9:30
  • 講師:暮町昌保・下杉孝・白川勝信

 遅咲きの桜の花が散る中、美和東文化センターに●名が集まりました。今回は、美和東文化センター近くの休耕田4aに栽培されているサクラソウと「美和のサクラソウ群落(町天然記念物)」と名付けられた北広島町枕地区、熊城山の山麓の自生地での観察会です。
  観察会に先立ち、美和東文化センターで事前の学習が行われました。最初に高原の自然館の白川学芸員から、美和のサクラソウについて次のような説明がありました。
  日本のサクラソウは氷河期、大陸と日本が陸続きの時に、中国大陸から日本にたどりつき、北海道から九州にまで分布し、その土地の環境に適したものが自生している。筑波大学の本城正憲さんが全国の生育地の葉緑体DNA変異を調査した結果、美和のサクラソウは本来の自生であることが分かった。一方、八幡地区のサクラソウは、埼玉県のサクラソウ集団から見いだされたものと同じ遺伝子タイプで、鳥取県日南町を経て八幡に持ち込まれた可能性がある,とのお話でした.
  続いて、自生地の保護活動をしている地元溝口地区の「サクラソウを育てる会」代表の下杉より次のような報告をしました。
  今から40年前に自生地を発見し,以降保護活動を続けている。サクラソウの自生地の中を町道が通ることになったため、町に保護柵を設けてもらった。2000年に「サクラソウを育てる会」を設立、自生地の草刈や美和小学校児童と連携による観察など行っている。また、溝口地区をサクラソウの里にすることにし、2000年に八幡のサクラソウをバイオ技術で増殖したものを美和東文化センター近くの休耕田に約1000本植え付けて管理している。自生地のサクラソウが系統的に見ると貴重な集団であることが判明し、栽培地のサクラソウとの交雑が危惧されるところとなった。当初、栽培したものは各家庭に配り、サクラソウの里づくりを目指していたが,急遽変更し栽培地のサクラソウの持ち出しを禁止、自生地のサクラソウと交雑を避けるよう配意している,といった保全活動の現状を話しました.
  次に植物に詳しい暮町先生が白色のサクラソウを持ってこられ、栽培種の話をされました。
  江戸時代に、サクラソウの栽培ブームがあり様々な品種が作り出されており,この白花のサクラソウは三倍体で一般に、三倍体植物は不稔性で種をつけないので交雑しないとのことでした.
  学習の後は、現地に移動しサクラソウの観察をしました。最初に栽培地の観察です.花は最盛期を迎え、よく咲いていました。花弁は細めで花の色は濃いさくら色で茎の長さも一定でクローンの特質が一見して分かりました。
  続いて自生地に移動、小川沿いの少し湿り気のある場所の柵内に咲いていました。花の色も淡いピンクや紫など様々で,花弁の形も切れ込みの深いものやほとんど切れ込みのないもの、花弁がラメを散らしたように光るものや茎の長短、開花時期の違うものなどを見ることができました。白川学芸員の話によると14種類くらいあると思われるとのことでした。
  参加者は、それぞれ写真におさめたり、双眼鏡で眺めたりしながら五月晴れの朝の一時を楽しみました。(しもすぎ たかし)

みなさんの印象に残った物

「多様なサクラソウの花」「少し自生地が小さくなったのでは」「ミツバチの足跡」「花の時期が丁度よかった」「さくら草の色ちがいが判明(少しづつちがう)が良く分かったこと」「サクラソウのYタイプ」「管理されるのが大変だと強く感じた」「サクラソウの遺伝子とからめた話が興味深かった.その知識で自生地の花を見ると,よく花の違いがどのようにして生じたか,おもしろかった」「サクラソウの自生地で個体差がよくわかりました」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「1種類の植物をじっくりながめていろいろなことがわかった」「がんばって保全しましょう」「サクラソウとトラマルハナバチとモグラやネズミの穴の話がとても好きでした」「皆さん熱心に話を聴いて下さりありがたく思いました.天候に恵まれた」「双眼鏡でマルハナバチ?足跡が自然だとわかった」「同じYタイプでもいろいろ額があるのですネ!」「この自然(サクラソウ)が残っていくことを願う」「短時間ではあったけど,内容が濃かった」「サクラソウの受粉にハチが必要でそのハチが住むためにモグラの穴が必要といった自然界の連鎖がこの小さな空間でもあることがよくわかりました」

具体的に

「座学でのお話がよくわかった.ためになった」「興味を深める知識や,応援したくなる取り組みについて丁寧に説明してもらえたのがとても良かったです」「資料もgoodです」「良い資料をいただきました」「皆さんがサクラソウを守るために努力されていることがよくわかりました」

自由記入

「はじめに説明や資料の提供があり,より理解できた.保護に対する考え方が理解出来た」「自生地の整備をもう少し何度もされては」「また来年も,今年との違いを見てみたいと思いました.ありがとうございました」「いろんな額の状態を絵柄があればより理解しやすかったです.柵外の他の植物も少し説明,観察しかったです」「できることはやりたい.広く皆さんにしらせていただきたい(草刈り等)」「今後とも行事に参加したい」「よくわかりやすく説明していただきありがとうございました」

写真

美和東文化センターで事前学習を行う.三輪地区のサクラソウの歴史を話す白川学芸員.
美和東文化センターで事前学習を行う.三輪地区のサクラソウの歴史を話す白川学芸員.自生地の保護活動を続ける下杉さんから,保護活動の現状を聞かせていただいた.
自生地の保護活動を続ける下杉さんから,保護活動の現状を聞かせていただいた.暮町先生からは,栽培種のサクラソウについてお話を頂いた.
暮町先生からは,栽培種のサクラソウについてお話を頂いた.自生地のサクラソウ.花の白くかすれた部分は,トラマルハナバチの足跡だそう.
自生地のサクラソウ.花の白くかすれた部分は,トラマルハナバチの足跡だそう.栽培地で花を咲かせるサクラソウ.遺伝子の違いからか,乾いた場所でも育つ.
栽培地で花を咲かせるサクラソウ.遺伝子の違いからか,乾いた場所でも育つ.