投稿者「スタッフ」のアーカイブ

「自己理解・対人関係とチームビルディング」研修を実施しました

「自己理解・対人関係とチームビルディング」研修を実施しました

NPO法人西中国山地自然史研究会の職場研修として、「自己理解・対人関係とチームビルディング」を行ないました。
異文化コミュニケーションの専門家であり、MBTIの認定ユーザーでもある渡邉ニコル先生にお越しいただき、3名を対象に研修をしていただきました。
今回の研修の目的は、自己への理解を深め、性格の指向を理解し、それを職場内のチーム力に活かし、人間関係の構築をスムースに図るというものです。
まずは自己紹介をし、研修で達成したいことを一人づつが述べます。先生からは「今回の研修では、違いを理解したり、似ていると盲点が出てくるので、気づきを作りましょう」とあいさつがありました。
その後のワークで、「人間として大切にしている価値観」「仕事上で大切にしている価値観」を書き込み発表しました。
これはとても難しくて、悩みましたが、このワークから私たち3名のチームで共有している価値観が現れました。

・身の丈であること
・前向きであること
・情報共有
・長期的な視点
・自然

次に、MBTIテストを行ないました。世界で使われている性格分析ツールで、自分と他人との性格の違いを理解するのに役立つツールです。これはあくまで本人の指向を図るもので個人の能力ではありません、と先生から十分な説明があったあと、受検をしました。
4つの指標の講義を受け、エクササイズを交えながら、自己想定のタイプを書き込みました。この間のセッションが非常にユニークで、知っていたつもりの自分や仲間の姿が実は違ってみえてきました。
その後、受検の報告結果タイプも確認しました。
テキストを使って、自分のタイプを知ったあと、仲間のタイプも認識しました。
ここまでで、知らなかった自分の性格の強みや、組織に貢献している場面、反対に盲点や弱点を客観的に知る事ができました。
「みんなすばらしい面があり、それは周囲の人への贈り物なのですよ」という先生からのお言葉がありました。
周囲に与える印象や今後の成長に向けての課題、大きなストレスにさらされるとどんな行動をとるか?をお互いが知る事で、調和がとれるようになるでしょう。
さらに、チーム編のテキストを使い、私たちの職場でのバランスや特性がみえてきました。
お互いの信頼性を高め、それぞれの強みを活かし、人間的にも組織的にも大きく成長できるよう、この結果を職場に活用したいと考えました。
「今よりもっと相手を認めることができた」「自分のことが客観的に見れた」「意思疎通の大切さとこれからの課題がみえた」と受講後の感想が出ました。
とても貴重な研修会となり、これからの事業に大変有効な一日となりました。

研修風景。とてもリラックスして受講した。

研修風景。とてもリラックスして受講した。

2冊テキストを使用した

2冊テキストを使用した

メンバーの共有価値観を書き出した。

メンバーの共有価値観を書き出した。

渡邉ニコル先生は幅広い研修メニューをお持ちの講師で、東京や広島で御活躍中

渡邉ニコル先生は幅広い研修メニューをお持ちの講師で、東京や広島で御活躍中

森林・山村多面的機能発揮対策交付金事業の活動事例発表会に参加しました

2月27日(金)に、メルパルク広島にて、森林・山村多面的機能発揮対策交付金事業の活動事例発表会が実施されました。
NPO法人西中国山地自然史研究会も、今年度から3年間、この交付金を千町原の草原保全活動に活用させていただいています。

この交付金は、地域住民が中心となった民間協働組織が実施する、地域の森林の保全管理等の取組に対し、一定の費用を国が支援する制度が平成25年度に創設されたそうです。

この発表会に先立ち、特別講演会が行なわれました。
広島大学の長沼毅先生の「海の幸は森の恵み、山河森海をつなぐ鉄の旅」というテーマで、70分の講演です。
宇宙の話題から始まり、広島の森や川につながるとても興味深いお話でした。広葉樹の森がもたらす恵みは、川や海にも重要で、「森は海の恋人」の本質の要を聞く事ができました。

発表会では、当研究会を含む5団体が活動の状況や課題などを15分で報告しました。
地域の山、公園内の山林などをフィールドに、整備し、レクリエーションの機会を設けたり、交流を図っている様子がわかりました。
また、機械を使う頻度が高い事から「安全意識の向上」、整備したあとの「森林資源の活用」が共通したキーワードだったように思います。
当研究会も、事務局河野が発表させていただきました。

広島の山林や里山が、適切に管理され活用されるための糸口になる交付金になることを望みます。
私たちの活動もしっかり続けていきたいと思います。
このような発表の場を設けてくださった広島県森林協会の行森さんに感謝します。

ハプニング発生もみなさんのおかげでなんとか発表

ハプニング発生もみなさんのおかげでなんとか発表

長沼先生のお話。鉄ってすごい力!

長沼先生のお話。鉄ってすごい力!

発表会の要項

発表会の要項

広島県生物多様性人材育成講座 第八回目〜生物多様性とは〜

2月24日(火)に実施された講座について、レポートします。

広島県生物多様性人材育成講座の8回目が開催されました。第1回目の講座と同じく高原の自然館の学芸員しらかわハカセが、今回の講師です。
この講座は今回が最後の回です。改めて「生物多様性とは何か?」を学びます。

受講生11名とスタッフ2名がグループに分かれ、テーブルに着きました。
しらかわハカセのお話は「改めてもう一度、“生物多様性の正体とは?”」というフレーズで始まりました。

北広島町では全国の自治体に先駆けて、生物多様性の保全の条例が制定されています。その取り組みの独自性や内容について詳しく解説していただきました。
様々な生物が息づいていることを「生物多様性」とし、その関係性がとぎれずにつながっていることを指します。私たちのフィールドでは現在どのような状況でしょう?3つの危機を通して、そんな話題をグループでも話しました。

またしらかわハカセはたくさんの書籍を紹介されました。
県内外の生物多様性や環境に関わる書籍です。これらは「どこで何が調べられているか。住所録のようなもの。」だそうです。しかし、「この地域で何を守るのか、何を大事にするのか」が書かれている書籍はたくさんはありません。

そこで、「自分たちだったらどの本を作りたい?」というグループへの問いかけがありました。グループワークでは「豊岡の戦略がナイス。いきものだけじゃない地域のいいところが書いてある。自分の地域にも欲しい。人が大事。地元を知る事が大事。」「山菜の食べ方。動物の食べ方。山で生きる為のノウハウ。昔を知り、未来に伝えたい。」「植物の方言。地域独特の言葉が興味深い。」といった意見が出ました。
このことから、データを集め、形に残し、過去を積み重ねることは、とても需要なことである、と気づきました。

北広島町生物多様性の保全に関する条例は、町民の豊かな生活を保証することが目的で作られています。そこで、町民にとっての「豊かさ」とは何か、が大切になってきます。
しらかわハカセはそれを「生物多様性は農村の文化や行事が育んできた。ここのつながりがとぎれようとしているので、制度・経済の観点からも、社会のしくみを整え、地域のアイデンティティを再認識する」ことが、豊かさだと位置づけられました。そのことに、受講生も共感し、大きくうなづいていました。

具体例として、芸北せどやま再生事業の紹介もあり、「保全のための保全から、活用のための保全(管理)へ」という非常に重要なキーワードを学びました。

まとめでは、4つのことを示していただき、生物多様性の正体に少し近づけたような気がしました。

受講生から「画一化された都市の話を聞いて、それを実感している。商店が消えている。地元に残るものがないことを改めて感じた。」という経済的視点の感想や、「生物多様性を自分の暮らしの中に見つける事ができ、今が豊かだということを感じた。」といった発見の感想、「地元での意識の統一化の工夫は?」といったテクニックへの質問など、話題が尽きない講座となりました。

全8回の講座を通して、少しでも生物多様性について学び、伝える技術が身に付いていただければ嬉しく思います。
最後に、受講回数の規定により講座修了と認められた4名に、広島県自然環境課の村田さんより、修了証書が授与されました。
これからも、受講生たちが、この講座で培った知識・技術・意識を持って、各フィールドでのご活躍されることを祈りながら、閉講としました。

手を広げるとオープンな関係を示せる、とのことで早速実践。

手を広げるとオープンな関係を示せる、とのことで早速実践。

修了書授与

修了書授与

グループワークの様子。

グループワークの様子。

熱心に聞き入る受講生。

熱心に聞き入る受講生。

「植物名の方言は興味深いねー」

「植物名の方言は興味深いねー」

たくさんの書籍・おすすめ本もおしえてもらった。

たくさんの書籍・おすすめ本もおしえてもらった。

「豊岡の戦略はすごいね」

「豊岡の戦略はすごいね」

最後の回は意見がたくさん出て盛り上がった!

最後の回は意見がたくさん出て盛り上がった!

しらかわハカセが講師とあって、いつもより多い受講生。

しらかわハカセが講師とあって、いつもより多い受講生。

広島県生物多様性人材育成講座 第七回目〜雪原のトレッキング【野外講習】〜

2月8日(日)に実施された講座について、レポートします。

第七回目は野外講座として、「雪原のトレッキング」に同行し、講師の知識や技術をフィールドで学びました。今回の受講生は4名です。

冬まっただなかの八幡高原は、積雪が120センチを越えています。雪が降り続く中での開催となりました。
最初に高原の自然館を見学し、おーいの丘を経由し、山際を通り、千町原を通るコースです。その中で、見つけた生き物やフィールドサインを観察します。 講師は生き物の専門家2名です。2班に分かれ出発しました。
雪上の歩き方、普段歩けない所を歩ける反面危険があることなどのの注意点を共有しました。
かんじきの履き方は、芸北でガイドをしている2名が上手に誘導することができました。
テンの足跡、ウサギの足跡・食跡など、姿はみえないものの、サインがところどころにあります。
よーく見ると雪の上には小さな小さな生き物もいます。
「これは、トビムシの仲間。おなかにバネのようなものがあって飛び跳ねるんだよ」と、小さな子どもでも分かるような説明で始まりました。
最初に講師がめあてとして、「冬に見れる繭があるので、みんなで探そう!」のミッションが発令!
その通りに、山際ではクリの木にヤママユという蛾の仲間の繭を見つけました。黄緑色のきれいな繭で、そこで講師からヤママユの生活史などの説明がありました。
図鑑で見たよりも少しくすんだ色にみえましたが、フィールドで見る事ができた喜びが伝わってきました。

そのように、最初に自然館の中や図鑑で観察できるものを示し、実際にフィールドで見て詳しく説明する、という手法は子どもから大人にしっかりと伝わり、見つける楽しさも与えられるということがわかりました。
これより講師の知識を、工夫次第でより効果的に伝えることができるという学びになりました。
野外活動の課題の一つ、一列になってしまい声が聞こえにくくなることは、雪の上でも同じでしたが、間に伝達者としてスタッフが入ったこともよかったようです。
後の振り返りの場で、受講生からは「初心者と経験者での別プログラムの提案」や「生き物だけでなく雪や天気に関する知識」「子どもが飽きた時の対処法」など様々な意見が出ました。
雪上という通常とは違った状況で、楽しく安全に自然について学べる場を設け、専門的な知識をもって講師の知識や技術で、冬ならではの生物の多様性が感じられた観察会、そして講座となりました。

ウサギが食べた跡

ウサギが食べた跡

おーいの丘に向けて出発!!

おーいの丘に向けて出発!!

後ろのグループにもわかるように、キツネの足跡

後ろのグループにもわかるように、キツネの足跡

ヤママユの繭を発見!

ヤママユの繭を発見!

テンの足跡を示す講師

テンの足跡を示す講師

「冬を生きる動物の生態」の中止のお知らせ

2015年1月17日(土)に実施予定の「冬を生きる動物の生態」について、都合により中止とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承ください。
参加申し込みをいただいていた方には、個別に通知をしています。
次回の観察会は、2月8日(日)となります。

写真