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【イベント報告】千町原草原の保全活動

草刈りの時には,いつも以上に天気が心配です.そして,いつも天気には恵まれます.今回も,数日前までとは打って変わり,「超」を付けたくなるほどの快晴でした.これなら問題なく作業ができそうです.8:00頃から参加者は集まりはじめ,9:00前にはみなさん山麓庵に勢揃いしました.八幡地区を代表して,八幡高原振興協議会の川内さんから挨拶を戴いたあと,班毎に別れました.今回は,班に分かれての作業です.リーダーは川内さんに加え,八幡青年団の佐伯クン・前クンの若手コンビです.現地に移動したあと,更に詳しい打ち合わせをしてから,作業開始しました.
今回は,いくつか新しい試みも盛り込まれました.その一つはキッズプログラムです.これまで,子供達は大人と一緒に作業をしたり,本部テントの周りで自由に遊んだりしていました.ただ,これだと大変危険で,作業に支障を来しかねません.そこで,今回は子供達みんなで草刈りについて学ぷことができるよう,プログラムを用意しました.まず,刈られたススキを使って「草泊まり」を作りました.大きな草原がある阿蘇では,家族総出で何日もかけて草刈りをします.そこで,草原の中に仮の小屋を建て,寝泊まりしながら草を刈ったそうです.千町原ではそうした習慣は無かったようですが,草に親しみ,草を使うことを体感するために,草泊まりを作ってみました.最後には刈った実もので飾り付けをするというオリジナリティーも出せたようです.このほか,押し切りを使ってススキの箸を作ったり,千町原にまつわるオリジナルの紙芝居を見たりと,なかなか盛りだくさんのプログラムだったようです.朝は緊張気味だった子供達も,帰るころにはすっかりうち解けて,はしゃいでいました.千町原の草刈りで再開する友達,なんていいですよね.
新しい試みのもう一つは,八幡民宿組合のみなさんによる食事の提供です.いつも大勢を迎える女将さんたちだけあって,味つけも手際もサスガでした.汁には,草原の草を使って作った堆肥で育てられた「はらっぱー大根」や,草原にするために切り倒したハンノキをほだ木にして育ったナメコも入っており,今回のお昼ごはんとして,これ以上のものは無い,という内容だったように思います.また,添えられた自家製の漬け物も好評でした.
草刈りの方は,3班は午前中に予定していた箇所を刈り終えたので,午後からは2班の作業予定地に移動して作業をしました.代わりに2班は,最難関である1班の作業を手伝いました.午後からの作業も順調に進み,終了目前で,予定していた箇所の伐採が一通り終わりました.樹木の伐採や若干の片付けが残ったものの,まずは目標達成です.始める前には「こんなにできないよ~」という声も聞かれましたが,人の力はすごいものです.毎年「作業は大人数」という言葉がつぶやかれます.(ちなみに,この後には「良いものは小人数」と続きます.)
現地で記念撮影と閉会をしたあと,みんなで山麓庵に移動し,仕上げをしました.ここではまたもや八幡民宿組合のみなさんお手製のぜんざいが振る舞われました.焼いた小餅が入って,疲れたからだホッとする気分でした.帰りには坂井さんからはらっぱー大根が配られました.温泉に浸かった人,もう一度伐採跡を歩いた人と,それぞれに帰路についたようです.

この報告にあたり,荒木則行さん,佐久間智子さんに写真を提供いただきました.また,今回の活動に対して,大坪剛三さん,大坪榮子さんからご寄付をいただきました.ここに記して,お礼申し上げます.ありがとうございました.

受付ではでっかいはらっぱーがお出迎え.
受付ではでっかいはらっぱーがお出迎え.
ウェルカムコーヒーが提供された.
ウェルカムコーヒーが提供された.
班毎に,色を変えたガムテープで,名札を付ける.
班毎に,色を変えたガムテープで,名札を付ける.
雲一つ無い快晴.
雲一つ無い快晴.
直前まで,打ち合わせが続く.
直前まで,打ち合わせが続く.開会式で,地元代表の川内さんが挨拶.
開会式で,地元代表の川内さんが挨拶.現地に移動して,プリントを見ながら刈る場所や手順を確認.
現地に移動して,プリントを見ながら刈る場所や手順を確認.打ち合わせを終えたキッズも到着.
打ち合わせを終えたキッズも到着.始めに点呼と諸注意.
始めに点呼と諸注意.
伸び放題の薮の中に,次々に入っていく.
伸び放題の薮の中に,次々に入っていく.
道無き場所を刈り進む.
道無き場所を刈り進む.刈った後は,大勢で草集め.
刈った後は,大勢で草集め.広い道ができてきた.
広い道ができてきた.キッズもがんばって草を集める.
キッズもがんばって草を集める.
集めた草は,ブルーシートに乗せて運搬.
集めた草は,ブルーシートに乗せて運搬.
さて,何がはじまるのか???
さて,何がはじまるのか???
竹の骨組みに,ススキを置いていく.
竹の骨組みに,ススキを置いていく.
みんなでする作業は,なぜ楽しいんだろう?
みんなでする作業は,なぜ楽しいんだろう?
力を合わせて草運び.さすが,息がぴったり?
力を合わせて草運び.さすが,息がぴったり?こちらは3班.ここも広い道ができた.
こちらは3班.ここも広い道ができた.
休憩時間にはお茶が配達された.休むことも大切な作業の一貫だ.
休憩時間にはお茶が配達された.休むことも大切な作業の一貫だ.
2班の方もずいぶん進んだ.
2班の方もずいぶん進んだ.
ここはササが多かった場所.大勢で
ここはササが多かった場所.大勢で
1班の樹木伐採も順調に進んでいる.
1班の樹木伐採も順調に進んでいる.
薮の中,笑顔だけど,かなりタイヘンなはず...
薮の中,笑顔だけど,かなりタイヘンなはず...
キッズプログラムも進行中.・・・えーっと,キッズは?
キッズプログラムも進行中.・・・えーっと,キッズは?
ここでゲストティーチャーが登場.
ここでゲストティーチャーが登場.
みんなで「押し切り」を体験した.
みんなで「押し切り」を体験した.
上手に箸ができたかな?
上手に箸ができたかな?
山麓庵では,昼食の準備ができていた.
山麓庵では,昼食の準備ができていた.
今回は,八幡の民宿組合のみなさんお手製の昼食.
今回は,八幡の民宿組合のみなさんお手製の昼食.
思わず顔がほころぶ.
思わず顔がほころぶ.
地元の食材をたっぷり使った炊き込みごはんとみそ汁.2年前に伐採したハンノキをほだ木にしたナメコやはらっぱー大根も入っている.
地元の食材をたっぷり使った炊き込みごはんとみそ汁.2年前に伐採したハンノキをほだ木にしたナメコやはらっぱー大根も入っている.
午後の作業を始める前に,各班長から午前中の進行状況を報告した.
午後の作業を始める前に,各班長から午前中の進行状況を報告した.
子供達は紙芝居に見入る.
子供達は紙芝居に見入る.
1班はまだまだ薮が続く.
1班はまだまだ薮が続く.それでも,ずいぶんと片付いてきた.
それでも,ずいぶんと片付いてきた.
補給部隊も奔走する.
補給部隊も奔走する.キッズの方も,形が見えてきた.
キッズの方も,形が見えてきた.
最後は伐採で出たツルウメモドキやノイバラを使って飾り付け.
最後は伐採で出たツルウメモドキやノイバラを使って飾り付け.
3班もあと一息.
3班もあと一息.
ついに開通した!
ついに開通した!
大きな木も切り倒していく.
大きな木も切り倒していく.
みんなで木を投げ,道を拡げる.
みんなで木を投げ,道を拡げる.
草泊まりも完成間近.
草泊まりも完成間近.
入口を,大きなハサミで整える.
入口を,大きなハサミで整える.
作業完了!
作業完了!居心地良さそうな,はらっぱーのお家ができた!
居心地良さそうな,はらっぱーのお家ができた!
大人達も作業を終えて帰ってきた.
大人達も作業を終えて帰ってきた.
みんな満足そうな顔.
みんな満足そうな顔.
各班から,作業状況を報告した.
各班から,作業状況を報告した.
川内さんが最後の挨拶をするころには,影が長く伸びてきた.
川内さんが最後の挨拶をするころには,影が長く伸びてきた.
恒例の記念撮影.この後,山麓庵に帰ってぜんざいで仕上げをした.
恒例の記念撮影.この後,山麓庵に帰ってぜんざいで仕上げをした.

【イベント報告】千町原草原の保全活動ー夏の草刈りー

一年で最も暑い真夏の草刈りを前に一番気になったのは,やっぱりお天気でした.晴れたら暑いのは当然ですが,雨でもカッパが蒸れると中から暑くなってしまいます.何度も天気予報を見ましたが,当日の朝は,ガスがかかっていました.少し湿度が高いですが,カンカン照りよりはずいぶんましです.
今回の作業に集まったのは54人.地元の方や県内の方をはじめ,遠くは島根県の大田からも参加者がありました.8:10,山麓庵に集合し,地元を代表して前建生さんに挨拶していただきました.その後,作業の説明と安全に関する注意をして現地に移動し,いよいよ作業開始です.
今回は「植物が最も成長する時期に刈り取りをすることで,ノイバラなどを抑制する」というのが目的でした.19名の方がチェーンソーを持ってきて,一斉に刈り始めると,ススキやノイバラ,イヌツゲなどが,見る見る刈り払われていきました.借り倒されたものは,できるだけ草と木を分けて積み上げました.この目的は,あとから堆肥のための草を取るときに都合が良いことと,刈り取った草を除けることで地面に直接陽をあてて草花の芽生えを促すことです.
途中の休憩では冷たいお茶や飴,スイカ等が配られて,しっかりと水分を補給しながら作業を進めました.刈り取っていく間には,ノハナショウブやユウスゲの群生や,レンゲツツジの大きな株が現れました.普段は近寄らない場所なので,何度も千町原を歩いている人もビックリしていたようです.
お昼には作業を終え,山麓庵で豚汁を飲みながら,持ってきたお弁当を食べました.話題は千町原のことが中心です.高原の自然館から管理計画を提案しましたが,早くも「来年焼きましょう」という声も聞こえました.
草原は,人が管理することによって,はじめて維持される生態系です.今回,一人のけが人も無く作業を終えることができて,「あぁ,また続けることができるなぁ」と思いました.作業が進んだことそのものも嬉しいことですが,事故がなく,みなさんと意見交換やふれ合いができたことも大きな成果だと思いました.

草刈り前の状況.アカマツやノイバラが入ってきている草原.
草刈り前の状況.アカマツやノイバラが入ってきている草原.
飲み物と飴を準備して,小さいはらっぱー.
飲み物と飴を準備して,小さいはらっぱー.
ゴミはゴミ袋へ.大きなはらっぱー.
ゴミはゴミ袋へ.大きなはらっぱー.
朝霧が残る中,作業開始.
朝霧が残る中,作業開始.
刈り払い機で刈っていく.
刈り払い機で刈っていく.
刈られた草を集めていく.
刈られた草を集めていく.
どんどん草の山ができた.
どんどん草の山ができた.
第1回目の休憩までに,ずいぶんと刈れた.
第1回目の休憩までに,ずいぶんと刈れた.
ここで,大暮養魚場から氷が到着.
ここで,大暮養魚場から氷が到着.
ベテランの方から,歯の調整など,現地で話しが出る.
ベテランの方から,歯の調整など,現地で話しが出る.
氷はスイカのために.
氷はスイカのために.
木は草とは別に積み上げた.
木は草とは別に積み上げた.
見る見る見晴らしが良くなる.
見る見る見晴らしが良くなる.
この日,NHKのテレビクルーも取材に来てくださった.
この日,NHKのテレビクルーも取材に来てくださった.
協働の作業が続く.
協働の作業が続く.
このエリアは,まもなく終了.
このエリアは,まもなく終了.
奥にはユウスゲが咲く湿地群落があった.刈り残されるユウスゲ.
奥にはユウスゲが咲く湿地群落があった.刈り残されるユウスゲ.「えぃっ!」と放り投げて草小積みが作られる.
「えぃっ!」と放り投げて草小積みが作られる.刈り開かれた薮の中から,牧場造成時代の水路が現れた.
刈り開かれた薮の中から,牧場造成時代の水路が現れた.渡り鳥のために,ヨシ原は残した.
渡り鳥のために,ヨシ原は残した.
二回目の休憩ではスイカが登場.
二回目の休憩ではスイカが登場.
冷たいスイカにご満悦.
冷たいスイカにご満悦.
とにかくみんなでモクモク食べる.
とにかくみんなでモクモク食べる.
上野さんから,渡り鳥にとってのヨシ原の重要性について解説された.
上野さんから,渡り鳥にとってのヨシ原の重要性について解説された.燃料を補給.
燃料を補給.イヌツゲの薮に立ち向かう.
イヌツゲの薮に立ち向かう.
エイドステーションの自然館三人ムスメ2号&3号.
エイドステーションの自然館三人ムスメ2号&3号.
草の上で一休み.
草の上で一休み.
鎌でノイバラを根こそぎ掘り取る.
鎌でノイバラを根こそぎ掘り取る.
かなり奥まで進行中.
かなり奥まで進行中.
そして終了.
そして終了.八幡の若手コンビ.
八幡の若手コンビ.
作業を終えたはらっぱを背景に,最後に全員で記念撮影.
作業を終えたはらっぱを背景に,最後に全員で記念撮影.
三人ムスメ1号は,万が一の事態に備えて,本部で待機.
三人ムスメ1号は,万が一の事態に備えて,本部で待機.ノリウツギがよく咲いていた.
ノリウツギがよく咲いていた.
最後の休憩.このころになると,少し暑さが増した.
最後の休憩.このころになると,少し暑さが増した.にわかkidsプログラム.
にわかkidsプログラム.
子供達も生物を捕獲.
子供達も生物を捕獲.
草刈り機で刈るだけでも,ずいぶんと風景が変わる.
草刈り機で刈るだけでも,ずいぶんと風景が変わる.
山麓庵を吹き抜ける風が心地よかった.
山麓庵を吹き抜ける風が心地よかった.
銘々持参した「my椀」で豚汁を食べる.
銘々持参した「my椀」で豚汁を食べる.
地元を代表して,川内さんからご挨拶.
地元を代表して,川内さんからご挨拶.
最後の作業中.
最後の作業中.
お昼は豚汁60人前.お腹いっぱいになった.
お昼は豚汁60人前.お腹いっぱいになった.
草原や八幡のことについて議論中.
草原や八幡のことについて議論中.
はらっぱーのはらに乗ったはらっぱーのはらに乗ったはらっぱー.
はらっぱーのはらに乗ったはらっぱーのはらに乗ったはらっぱー.
今回は「myコップ・my箸・椀・コイン(参加費)」を呼びかけたところ,ゴミはわずかこれだけだった.また,ペットボトルのゴミもずいぶん持ち帰りいただき,感謝します.
今回は「myコップ・my箸・椀・コイン(参加費)」を呼びかけたところ,ゴミはわずかこれだけだった.また,ペットボトルのゴミもずいぶん持ち帰りいただき,感謝します.