秋晴れの空の下,自然館前でのレクチャーから始まりました.先生は,今年は秋の気温が高かったことで,キノコは不作だろうという予想を話されました.また,時期的には地上性のキノコは少なく,倒木や枯れ木から生える樹上性のものが多いだろう,というお話でした.
昨年と同様,千町原に車を停めて,苅尾へと登って行きました.たしかにキノコが少ないような気がしましたが,見つける方は上手に見つけるもので,下りるときには籠いっぱいにキノコを集めておられました.キノコが取れなくても,アカマツの大木や,ミズナラの黄葉,真っ赤になったウリハダカエデなど,回復してきた森林を十分に堪能することができました.
お昼前には高原の自然館に再集合して,同定をはじめました.それぞれが採ってきたキノコを並べ,山手先生が次々に名前を付けてゆきました.おいしそうだと思って採ったものが毒きのこだったり,同じ種類でも姿に変異があったりで,参加者からは驚きと関心の声が上がっていました.
同定を終えると,いよいよオタノシミのきのこ汁です.今回はかりお茶屋さんに汁を作っていただきました.大きな椀にたっぷりの汁は,いろいろなきのこの味が出ていて,たいへん好評のようでした.中には2回もおかわりした人もおられたようです.
キノコは中毒するものもあり,少しコワイところがありますが,知識を持って採取すれば素晴らしい味に出会えます.先生の言葉を引用すると「一度にたくさん覚えようとせず,一年に2つか3つ,食べられるものを覚えてください.そうすれば10年後には20から30を食べられるようになりますよ.」ということでした.キノコとつき合うには,気長にゆっくりと,ということでしょうか.
日程の連絡で,当初と現地で集合時刻を違えて言ってしまったようです.お待たせした皆様に,事務局しらかわからお詫び申し上げます.

自然館の前で山手先生に説明を受ける.

朝露の残るススキ原を進み,苅尾山へ.

登山道に入ると,倒木からワサビタケが生えていた.

ササが繁るところにもいくつかのキノコがあった.

立ち枯れの木に並んだミイロアミタケ.

さらに登ると,ミズナラやブナの若齢林になった.
大きなミズナラの上で憩う.

この倒木にはムラサキゴムタケをはじめ,いくつかのキノコと粘菌が付いていた.

たくさんのニガクリタケ.

ススキの穂は乾いて揺れていた.

高原の自然館前で採ったキノコを並べて鑑定の開始.

今年は少なかったというが,それでも様々な種類が集まった.

同定が終わったキノコは,この日の閉館時まで,展示された.

汁を食べながら,キノコ談義に花が咲いた.

本日の収穫も入ったきのこ汁.