活動報告」カテゴリーアーカイブ

【イベント報告】紅葉の山でゴギの産卵観察会

曇りぎみの寒い朝,17人の参加でした.まず八幡高原センターで資料をもとにゴギの発見や分類について説明を受けました.人による移動の歴史に関する話しや,地域別変種について図鑑を見せて頂いたり,実際の産卵時のビデオを鑑賞したりと大変熱心な講義をいただきました.現地ではすでに下見済みの所に機材等の設置がなされており,カップルのいる場所も即座に観察できて,産卵床を作る行動や,雄が雌に産卵を促す行動を,観察しました.少し下流に移動すると,あられ混じりのあいにくの天気になってきましたが,尺ゴギといわれる4~5年は生きているらしい産卵後のカップルが精子を撹拌しているのか「舞の行動」をとっているのを観察することができました.当日の直前の産卵も,録画された映像を見せていただきました.紅葉の渓流で,「あそこにいます」と教えて頂かないとわからないさび色・落ち葉と見間違えそうな保護色のゴギを,観察会ならではの機会に観ることができて大変感動しました.さらに大きな尺ゴギも別の場所にいたりと,なかなか去りがたい観察会でした.

まず,八幡高原センターで講義を受け,産卵の様子をビデオで観た. まず,八幡高原センターで講義を受け,産卵の様子をビデオで観た.
「そっとのぞいてください.」 「そっとのぞいてください.」
みんな順番にそっとのぞく. みんな順番にそっとのぞく.
「観たぞ」,「あそこ」とみんな必死で確認する. 「観たぞ」,「あそこ」とみんな必死で確認する.
「こんなふうに機材を設置します.」 「こんなふうに機材を設置します.」
現地での説明にも熱が入る. 現地での説明にも熱が入る.
「こういう所にいます.」 「こういう所にいます.」
こんな小さな川が産卵場所. こんな小さな川が産卵場所.
昆虫館の坂本さんが新開発の機材について説明される. 昆虫館の坂本さんが新開発の機材について説明される.
川に人影が映らないように山際に寄る. 川に人影が映らないように山際に寄る.
ゴギのカップル.大きい! ゴギのカップル.大きい!
産卵後の「舞」の行動. 産卵後の「舞」の行動.

【イベント報告】寒曵山の植物観察会

朝は冷え込んで風も冷たいくらいでした.集合場所のわさーる大朝から寒曳山スキー場の駐車場へ移動し,おおまかなルートの説明があった後,20名でゲレンデ内を散策しながら登り始めました.スキーシーズン準備のためススキが刈り取られ,その他の植物も紅葉したり種になっていたりと,いつもと趣の違う観察会でした.それでもゲレンデのそこここにセンブリが咲き,それだけでみんな感激でした.センボンヤリの春の解放花と秋の閉鎖花の話では,各々が種子の話で先生に質問攻めの場面もありました.紫の濃いリンドウを見つけると我も我もと写真撮影,真っ赤なアリノトウグサも可愛らしく咲いていました.ゲレンデを終えて稜線に入ると,道が狭いために一列になってしまい,後ろの方は先生のお話が聞こえにくい場面もありましたが,コマユミ・ミヤマガマズミ・コバノガマズミの赤い実.シラヤマギク・リュウノウギク・ガンクビソウ・ツリガネニンジンなど観察できました.山頂は晴れ渡り気持ちの良い昼食時間でした.てんぐ岩まで観察し,引き返してゲレンデを再び下山.大変な急斜面をみんな必死で降りて,オオイワカガミ・キクバヤマボクチ・オケラなど見ました.まとめをして確認すると,植物約40種,動物約10種が観察されていました.ゆったりとしたペースの中,セイヨウオオマルハナバチの話や温暖化の話が出たり,ホオジロの羽の残骸から調理をする猛禽類の話など幅広い観察会でした.

寒曳山スキー場駐車場にて今日の概要説明.
寒曳山スキー場駐車場にて今日の概要説明.
本日の講師は佐久間智子先生.
本日の講師は佐久間智子先生.
いざ,登るぞ.
いざ,登るぞ.
たくさんのセンブリに感激.
たくさんのセンブリに感激.
ノウサギのフン.
ノウサギのフン.
これはイヌコウジュかヒメジソか?先生の説明を聞く.
これはイヌコウジュかヒメジソか?先生の説明を聞く.
植物を取り囲んでメモ,または撮影順番待ち.
植物を取り囲んでメモ,または撮影順番待ち.
ナギナタコウジュ.匂いがする.
ナギナタコウジュ.匂いがする.
山の上にもアメリカセンダングサ.
山の上にもアメリカセンダングサ.
陽を浴びてリンドウ開花.
陽を浴びてリンドウ開花.
先生の「これはですね〜」みんな真剣にのぞき込む.
先生の「これはですね〜」みんな真剣にのぞき込む.
猛禽に食べられたであろうホオジロの尾羽.
猛禽に食べられたであろうホオジロの尾羽.
センブリ一年生.
センブリ一年生.
イナカギク.
イナカギク.
ゲレンデもだいぶ上まで登り,木本の説明.
ゲレンデもだいぶ上まで登り,木本の説明.キブシの実.
キブシの実.
クマのフン.かなり古い.センチコガネが育っている.
クマのフン.かなり古い.センチコガネが育っている.
コマユミの実.
コマユミの実.
クリに今年のクマ棚あり.
クリに今年のクマ棚あり.
お天気もよく見晴らしの良い山頂で昼食です.
お天気もよく見晴らしの良い山頂で昼食です.
ミヤマガマズミの実.
ミヤマガマズミの実.
てんぐ岩の上から周囲を展望.
てんぐ岩の上から周囲を展望.
行きは良い良い.帰りは…かなりの斜面をジグザグに降りる.
行きは良い良い.帰りは…かなりの斜面をジグザグに降りる.
ゲレンデの横には刈り残しススキが輝いていた.
ゲレンデの横には刈り残しススキが輝いていた.
キクバヤマボクチ.
キクバヤマボクチ.
「さて,今日は何をみましたか?みんなで読み合わせしましょう.」
「さて,今日は何をみましたか?みんなで読み合わせしましょう.」

【イベント報告】キノコの観察会

今シーズン一番の冷え込みの中,年に一度のお楽しみ,キノコの観察会が始まりました.採取に出かける前に,山手先生よりキノコの採り方を教えていただきました.「くさっているもの」「若いキノコ」は採らないように,丁寧に全体を採るように,とのことでした.そのことを心にとめ,例年のようにかりおの登山道をのぼりながら,キノコを探しました.見つけたものを皆で披露しながら歩きました.その中で「これはおもしろい!」と思ったのはミヤマタマゴタケです.地面に卵がある・・・と思ってしまうほど,とてもキノコだとは気づきませんでした.その他にも,カラマツ林に生え,ひだのところが黄色いハナイグチ,匂いが強烈なスッポンタケ,抱えるほど大きなコフキサルノコシカケなど多くの種類のキノコが集まりました.持ち帰った後は,自然館の前で鑑定の始まりです.種類ごとに分けてみると,先生に名前をつけてもらったキノコはなんと40種類も集まっていたので驚きました.似た種類のキノコの見分け方をお話いただいたり,それぞれのキノコの特性を聞いたりしました.それから待ちに待ったお昼ごはんです.持ち帰ったキノコの中からは,ハナイグチ・ハツタケ・シリヌメリイグチ・アシグロタケ,それに八幡産のナメコ・シイタケが入ったかりお茶屋特製のキノコ汁を全員でいただきました.寒さで冷え切った体をあつあつのお汁が温めてくれ,キノコのうまみを充分に堪能しました.先生やキノコに詳しい参加者の方から専門的な話を聞くことができ,大変楽しい観察会となりました.自作のハガキを参加者全員に下さった日野さん,ありがとうございました.

カゴを片手に出発!!
カゴを片手に出発!!
早速発見.背負篭は便利そう.
早速発見.背負篭は便利そう.
ニボシの匂いがするよ,と教えていただきクンクン.いい出汁がでるそう.
ニボシの匂いがするよ,と教えていただきクンクン.いい出汁がでるそう.
左右に目をこらして,歩く歩く.
左右に目をこらして,歩く歩く.
きれいに採取できた!
きれいに採取できた!笹に隠れるようにして生えているキノコも多かった.
笹に隠れるようにして生えているキノコも多かった.
ひだが黄色いハナイグチ.見分けがつきやすいキノコの一つ.
ひだが黄色いハナイグチ.見分けがつきやすいキノコの一つ.
キノコの特長をじっくり観察中.
キノコの特長をじっくり観察中.
ここにも秋を発見.今年はどんぐりが多いらしい.
ここにも秋を発見.今年はどんぐりが多いらしい.
紅葉にはまだまだ早い.雨が少なかったせいか,キノコも多くはなかった.
紅葉にはまだまだ早い.雨が少なかったせいか,キノコも多くはなかった.
カメが飛びだしたかのようなスッポンタケ.
カメが飛びだしたかのようなスッポンタケ.
本日の食用分.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の食用分.
先生が鑑定をし,次々と名前がつけられていく.
先生が鑑定をし,次々と名前がつけられていく.
毒を持つキノコも多かった.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毒を持つキノコも多かった.
ヒポミケス菌が寄生し傘がひらかなかったタケリタケ.
ヒポミケス菌が寄生し傘がひらかなかったタケリタケ.
キノコの見分け方をじっくりと説明する山手先生.参加者も熱心に聞いていた.
キノコの見分け方をじっくりと説明する山手先生.参加者も熱心に聞いていた.
具だくさん,あつあつのキノコ汁.
具だくさん,あつあつのキノコ汁.
食事をしながら,キノコの話,気候の話など話題は尽きない.
食事をしながら,キノコの話,気候の話など話題は尽きない.
日野さんよりいただいたハガキ.
日野さんよりいただいたハガキ.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査

広島市内などでは豪雨の所もあったようですが,八幡高原では晴れ間も覗くお天気でした.今回の調査に集まったのは11人.4つの班に分かれて調査を行いました.各班3~5のプロットを調査したのですが,手際よく調査が進められ,お昼前には調査が終了しました.今年からは「ダンポール」という目印を立てておいたので,調査プロットを見つけやすくなったことも早かった要因だと思います.これについては,かなり前から指摘があったのですが,やっと方法が定着しました.これまでに参加したみなさん,手間をおかけしました.実験地の反対側では,薮が切り開かれ,自然再生工事が進んでいました.見晴らしが良くなった霧ヶ谷を見ると,なんだか感慨深いものがあります.こうして実験地の調査を続けてきたことが再生事業に繋がったことを思うと,これからも続けていかないといけないと改めて感じました.
自然館に戻り,調査のまとめをしました.初めて参加した方は,ほんのわずかの面積にたくさんの植物が生育していることや,調査の専門家の知識に驚かれていたようです.今回は現地で同定できなかった種はほんの数種だったので,午前中で解散しました.お昼ごはんを食べ終わるころには雨になり,今回もお天道様が味方してくれたんだな,と思いました.
調査指導をし,写真を提供してくださった大竹さん,渡邉さん,佐久間さん,小宮さん,ありがとうございました.

実験地と反対側にある,工事中の自然再生事業地を眺める.木が伐採されて,すっかり風景が変わった.
実験地と反対側にある,工事中の自然再生事業地を眺める.木が伐採されて,すっかり風景が変わった.
調査を始める前のレクチャー.
調査を始める前のレクチャー.
今回は4班に分かれて調査をした.
今回は4班に分かれて調査をした.
導水したプロットで,ヨシ,コバギボウシ,ヒメシロネなど,多様な湿地生植物が見られた.
導水したプロットで,ヨシ,コバギボウシ,ヒメシロネなど,多様な湿地生植物が見られた.
このプロットではイが優占していた.
このプロットではイが優占していた.
調査を終え,自然館の前でまとめをした.
調査を終え,自然館の前でまとめをした.
八幡湿原自然再生事業は,公園整備でも河川改修でもなく,湿原を再生する工事.
八幡湿原自然再生事業は,公園整備でも河川改修でもなく,湿原を再生する工事.
氾濫原を再現するために,コンクリートの側壁が壊され,河川の構造が変えられていく.
氾濫原を再現するために,コンクリートの側壁が壊され,河川の構造が変えられていく.

【イベント報告】雲月山の植物観察会

前日の雨がすっかり止み,秋晴れの観察会となりました.県境に近い駐車場に参加者33名が集合し,今回の講師,佐久間先生と和田先生からお話を聞きました.参加者の中には初めて雲月山に来られた方もあったようです.晴れ渡る空の下,一列になり観察しながらゆっくりと登ります.講師以外にも博識な方がたくさんおられて,興味深い話をたくさん聞きました.中でも印象的だったのは「山でうまいのはオケラにトトキ(ツリガネニンジン),里でうまいのはなす,かぼちゃ」という俚謡があると教えていただいたことです.オケラもツリガネニンジンも咲いており,食べられることがわかりびっくりしました.秋の七草もオミナエシ・ キキョウ・ハギ・オバナ(ススキ)・ナデシコと5種類登場しました.ススキなどの単子葉植物の根に寄生するオオナンバンギセル,他の植物からも栄養をとり自ら光合成もする半寄生植物のママコナやカナビキソウと,栄養の取り方に特長がある植物が目をひきました.また,出発前に佐久間先生から配られた地図を手にしながら歩くと,山焼きをしたところ,または全くしていないところ,島根県側と分けて見ると生えている植物たちが違うのがわかりました.全体的な印象としては,山焼きを始めてから草花が増えた,との声がありました.後半には牛も登場し,のんびりと草をはむ様子を見ると和みました.この牛たちは山の斜面に対して平行に歩くので,そのせいでくっきりと道がついていました.どんな植物でも食べるわけではなく,有毒成分を持つレンゲツツジやオキナグサなどは食べのこすそうです.和田先生はこの環境を「階段状植物群落の途中」だとお話しされました.最後に集合してまとめをし,今回の観察会で見た植物は50種類以上だということがわかりました.ススキの穂が風に揺れ,青空の下に秋の草花たちが咲き乱れる,楽しくて心地よい植物観察会となりました.

毎年晴れる雲月山の観察会.今年も晴れた〜!!
毎年晴れる雲月山の観察会.今年も晴れた〜!!
佐久間先生お手製の,山焼きをした区域・してない区域がわかる地図をいただいた.
佐久間先生お手製の,山焼きをした区域・してない区域がわかる地図をいただいた.
とても暑い日だったため水分補給もこまめに・・.
とても暑い日だったため水分補給もこまめに・・.
子ども達に大人気のゴマダラカミキリムシ.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子ども達に大人気のゴマダラカミキリムシ.
ホクチアザミの葉裏は綿毛をかぶり白色なのが特長.めくってたしかめた.
ホクチアザミの葉裏は綿毛をかぶり白色なのが特長.めくってたしかめた.
こちらがホクチアザミの花.
こちらがホクチアザミの花.
最初の休憩.広々とした景色に疲れも癒され,みなさん笑顔!
最初の休憩.広々とした景色に疲れも癒され,みなさん笑顔!
ススキの上にとまるトンボを観察.
ススキの上にとまるトンボを観察.
一列に連なり歩く.写真を撮ったり,花に近づき観察したりと楽しみ方はイロイロ.
一列に連なり歩く.写真を撮ったり,花に近づき観察したりと楽しみ方はイロイロ.
秋を代表するススキ.秋風に気持ちよさそうに揺れていた.
秋を代表するススキ.秋風に気持ちよさそうに揺れていた.
地理学者の方から雲月山の地形と昔さかんだった“たたら”についての説明.
地理学者の方から雲月山の地形と昔さかんだった“たたら”についての説明.
和田先生から,雲月の植物や地形,山焼きの様子など多岐に渡るお話を聞いた.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和田先生から,雲月の植物や地形,山焼きの様子など多岐に渡るお話を聞いた.
今も昔もかわらず,ねこじゃらしは子どもにかかるとおもちゃに変身.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今も昔もかわらず,ねこじゃらしは子どもにかかるとおもちゃに変身.
この日は晴れ渡り遠く日本海の波が見えた.
この日は晴れ渡り遠く日本海の波が見えた.
何かを発見.みんなで集まって観察.
何かを発見.みんなで集まって観察.
みなさんのお目当てはこれ.キュウシュウコゴメグサ.
みなさんのお目当てはこれ.キュウシュウコゴメグサ.
登山道わきでススキが優しく迎えてくれる.
登山道わきでススキが優しく迎えてくれる.
ごはんつぶが2つついているように見えるママコナ.
ごはんつぶが2つついているように見えるママコナ.
やっとお昼ご飯!思い思いの場所に座り「いただきまーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっとお昼ご飯!思い思いの場所に座り「いただきまーす!」
まだ咲いていなかったセンブリ.
まだ咲いていなかったセンブリ.