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【視察報告】兵庫県豊岡市(2016.12.26~27)

年の瀬に近い12月26日から27日にかけて、兵庫県豊岡市に「北広島町 木質バイオマス資源を活用した再生可能エネルギー導入計画等制定調査」の視察にに参加したのでレポートします。
豊岡市は国の特別天然記念物である「コウノトリ」をキーワードに、エコツアーといった観光や、自然に優しい農業に取り組んでいる市です。これからのNPOの活動の参考にし、学ぶことを目的に、参加しました。
初日の26日は豊岡市の市役所で、豊岡市コウノトリ共生課の成田さん、井上さん、豊岡観光イノベーションの川角さんから、コウノトリの野生復帰についてと、豊岡版DMOについてのお話を聞きました。そして27日は県立コウノトリの郷公園内にある、市立コウノトリ文化館にて、豊岡市農林水産課の瀬崎さん、コウノトリと共存する農法「コウノトリ育む農法」を実際に行っている植田さんから話を伺い、その後、コウノトリ文化館の館長にガイドをしていただきながら、館内や実際に飼育されているコウノトリを視察するという行程です。
豊岡市は、一度日本の空から消えた、国の特別天然記念物であるコウノトリの野生再導入に成功した、自然再生の最先端の場所です。2005年から人工飼育したコウノトリの放鳥を始め、今では野生下で繁殖したものも含めて、野外に91羽まで増えており、研究用の人工飼育下にある95羽と含めて200羽近いコウノトリが現在豊岡に生息しているんだそうです。
ここまで生息数が増え、コウノトリが田んぼの中の一つの光景になっているのはなぜだろうか。と訪れた当初は思っていましたが、対応をしてくれた人たちにお会いして、謎は解けました。
官民、それぞれ立場は違うという中でも全員が「コウノトリ”も”住める豊かなまちづくり」という、一つの強い目標を目指して行動しているのがはっきりと伝わってきたからです。
成田さんのお話の中の「目的はコウノトリとともに暮らすまちを作ること。そして政治や教育、農業などはその”手段”としてある」ということが強く印象に残りました。
また、今、私たち西中国山地自然史研究会が行っていることは、間違っていないのだと思うこともありました。
興味のない人たちに興味を持たせるために必要なのは、わかりやすく説明することだそうです。北広島町では、現在エコ・カフェを行なっています。難しく感じてしまいがちな生物多様性という言葉ですが、実際には身近なものなのだということを、お菓子を食べて楽しみながら、一般の人たちに知ってもらおうという取り組みで、成田さんのこの言葉を聞いて、エコ・カフェってやっぱりいいものなのだと再認識できました。
他にも、「儲からないから」という理由で農業が衰退している現状を見て、農業が儲かる仕組みが必要というところでは、芸北で行われているせどやま事業を思い浮かべました。
この視察を終え、強く感じたことは誰もが「コウノトリも住める素敵なまち」を作ることを目指して、行動しているということです。
立場の違う人たちが団結し、協力しあうとここまで上手く作用するのかと感慨深かったです。
すぐには難しいでしょうが、北広島町でも豊岡市のように、立場の違う人たちが協力しあって、生物多様性の誇れるまちづくりができ、そして活気のある町になればと思った今回の視察でした。

いたるところにコウノトリ。


質問もしっかりと。


ハンガーにも市章が!


こんなところにもコウノトリ。


コウノトリの郷公園にいくバスの中から…あ!野生のコウノトリ!!


そこにも野生のコウノトリが!!






【活動報告】エコ・カフェ@豊平

心地の良い天候に恵まれた12月18日(日)に、豊平中央公民館に38名の人が集まり、今年度第3回目のエコ・カフェが行われましたのでレポートします。
今回話してくれたのは、地元豊平の公民館を中心に活動されている、北広島町生物多様性審議会委員でもある入澤良枝さんと、豊平の今吉田地区にある、ろうきん森の学校を拠点に活動されている、NPO法人ひろしま自然学校の志賀誠治さんです。
入澤さんは絵手紙を始めとして、様々な教室を公民館で開いています。今回も、内容盛りだくさんの、楽しいお話をしてくれました。
絵手紙に関しての「下手でいい。下手がいい」という言葉にとても感銘を受けました。また、イモ判(野菜判)や葉っぱのコラージュなど、誰でも立派な絵手紙を描ける方法というのも教えてくれました。 「絵と文字があるのが絵手紙。文字でいくらでもフォローできる」という発言に「なるほど!」と会場内も納得。自分も絵手紙というものを描きたくなるような、内容でした。
エコ・カフェだから、と紹介してくれたのはダンボールコンポストです。みかんのダンボールのような、丈夫なダンボールがあれば誰でもできる、手軽な生ごみ処理機です。匂いは気にならないそうで、唯一注意をしないといけないのは、夏場の虫だそうです。しかしこれも、古いTシャツを利用したカバーで予防できるという話でした。我が家に畑があったらやってみようかなと思ってしましました。
他にも、エコな調理法、「無水鍋で作る鍋パン」や、自然と歴史を楽しむ「古道歩き」の話など、時間いっぱいにたくさんの話が聞けました。
二番手の志賀さんは、広島市在住ですが、豊平の山や廃校を活用して、子供向けの自然教育プログラムを展開している方です。
3つの基本方針に「森を育む」「人を育む」「森で遊ぶ」を掲げ、廃校を使用した「地球派塾」、ろうきんの森の「森の学校」で、14泊15日の子供キャンプや、動植物調査などを行っているそうです。また、子供向けのプログラムだけではなく、大人向けのプログラムや、森の手入れをする「平日作業隊」があります。「今までは外部からの受け入れだけで、内でしかやってこなかった。これからは豊平の中に入って、地域と一緒に活動していきたい」というった展望も聞かせてもらい、これを聞いた参加者の人たちの嬉しそうな顔が印象的でした。
資金面で中止になっていた、日本では広島だけで受講できるという海外発の子供向け環境プログラム、「アースキーパーズ」も再来年から復活させていくそうで、これからの豊平での活躍に注目です。
また、忘れ去られていく、文化のレッドデータも編集していきたいというお話で、こちらにも大変興味を持ちました。
最後は入澤さん、志賀さん、聞き手の近藤先生、教育委員会の新中さん4人の放談会で店じまい。
生物多様性について、かなり深い質問も出たりで、多種多様な人たちが参加してくれていたのだと、少し嬉しくなった、エコ・カフェでした。


世話人の足利さんの挨拶で、エコ・カフェ@豊平が開店です!


今回のお菓子は、野の花カフェさんの、パンプキンと紅茶のシフォンケーキ。


なんと紙皿にこんな可愛い小細工も!!


今回は「こども席」もご用意です。お隣のひょうたんランプはせどやまの曽根田さん作!


幼稚園児、小学生たちもしっかりと参加。


まずは入澤さんのお話。参加者の皆さん、真剣な眼差しで聞いています。


時には立ち上がっての熱弁も!会場は時折笑いもでて、すごくゆったりとした雰囲気でした。


入澤さんが被っているのは、「みどりのサンちゃん」。関わったミュージカルで実際に使われた小道具だそうですよ。


二番手の志賀さん登場。


話し手である志賀さんと、聞き手である近藤先生のやりとりも、エコ・カフェならではの醍醐味。


志賀さんには、これからの展望も熱く語っていただきました。


入澤さん、志賀さん、近藤先生、新中さんの放談会。会場からはするどい質問も。


最後に記念撮影で、エコ・カフェ@豊平は無事に閉店となりました♪

【視察報告】岡山県真庭市(2016.12.6•7)

「木質バイオマス」の利用推進計画策定に係る先進地調査のひとつとして、スタッフが岡山県真庭市に視察にいきましたので、報告します。
間伐材や建築廃材などの木材資源を、石油などの燃料の代わりとして、家庭や会社の暖房などに使う取組みが全国的に進められていますが、国内でも最も活用が進んでいるのが真庭市だそうです。
また、それに関わるエコツアーの取り組みも活発です。

私たちは、エコロジー・エコノミー・エネルギーの観点から芸北せどやま事業を進めています。
北広島町でも取り組みが進むよう活動のヒントを得るために、視察に参加しました。

行き先や目的は次の通りです。
①津黒高原:
・薪ボイラーを運用している宿泊施設
・薪を供給する組織
・生物多様性に取り組んでいる津黒いきものふれあいの里の見学
②真庭市内勝山、久世地区
・約30の製材所が地区の10km圏内にあり、木質バイオマスボイラが多く導入され、国内で最も木質バイオマスの活用が進んでいる地区である
・多くの視察者を呼んでいるバイオマス施設の技術面の視察
・真庭市勝山の古い町並や、北部の湯原温泉の観光地を一体とした、バイオマスツアー真庭への参加

特に印象に残ったのは、中和地区で取り組みをされている企業、アシタカの赤木直人さんです。
薪ボイラーの導入をきっかに始まった地域での薪供給のしくみづくりや、住民との連携、教育との関わり、ナリワイ作り、地域の自然との共生をめざす姿など、私たちに重なるところもあり、とても嬉しくなりました。
計量の仕方や、ナリワイ作りは具体的に参考にしたいなぁと思いました。
視察の案内を「自分の楽しみ」と語り、幸せに暮らす地域づくりに真剣に取り組む姿を見て、これからもつながっていきたいなぁという人、そして場所でした。

一方で、地域の電力を賄っている大きな発電所のシステムを見学することで、日頃気軽に使っている電気をつくるためには、大掛かりなしくみと材料が必要であると体感しました。木を集積するところでは、これからの課題も聞くことができ、せどやま事業に重なる部分もありました。

森に恵まれ暮らしてきた真庭は、林業の町として栄えてきた土台があります。
古くからの木材業と、新しい技術であるバイオマス産業の現在の取り組みの両方を、2日間にわたり見学させていただきました。

見学したり、教えていただいたことをどう各自の取り組みに反映させるか、帰りのバスの中で参加者は発言しました。
どのような規模で、何を大切にして、どうやって継続させていくか、ということを考えながら帰路につきました。
来年度は、エコツアーを北広島町内で私たちらしく、展開させたいと思います。_c085097 _c085099 _c085104 _c085110 _c085112 _c085114 _c085117 _c085120 _c085122 _c085132 _c085135 _c095148 _c095163 _c095201 _c095222 _c095230 _mg_2395 _mg_2432 _mg_2478 _mg_2507 thumb__mg_2444_1024 thumb__mg_2453_1024 thumb__mg_2462_1024 thumb__mg_2501_1024

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【イベント報告】エコカフェ2016@大朝(2016.12.17)

12月17日(土)のエコ・カフェ大朝、開店の様子をレポートします。

今回の話し手は千代田在住の山場淳史さん、豊平在住の入澤良枝さんです。
聞き手は、広島大学の近藤ハカセです。
そして、本日のカフェは大朝のオトナイによる出張カフェです。カフェを始められたきっかけや「オトナイ」という名前の由来などもお聞きすることができました。
お菓子はスコーンやマフィンなど5種類を用意していただき、参加の皆さんも選ぶのがとても楽しそうでした。
飲み物は 北広町地域おこし協力隊(大朝地域担当)の鳥谷さんがつくった「野草茶」が好評でした。 さて、話し手の方たちのお話に入っていきます。

山場さんは「我が家の里山ライフスタイル」と題して、里山ならではの風景やおうちの写真とともに詩風の語り口で「暮らし」について話されました。
自然・生き物・体を動かすことが好きなご家族だそうです。林業・自然保護関連のお仕事をご夫婦ともにされています。
家の木材にこだわりを持っていて、見えるところの材はアカマツの材使っているそうです。地場材をでおうちを建てるなんて、憧れますね。
山場家流の薪ストーブの使い方も魅力的で、「燃え尽きる焚き方をしてすすが少し残る感じ」なのだそうです。
近くの山に入って作業をするときは子どもさんにも実際にやってもらうようにしているそうで、何でも経験できるフィールドが里山にはあるのだなぁと感じました。
地域の「ネガティブ」を「ポジティブ」に!という実例を交えたお話でしめてくださいました。
移住してきたからこその視点だなと思います。

次は北広島町の生物多様性審議会の委員をされている入澤さんのお話に入ります。
豊平在住で、「絵手紙教室」や「きたひろしまミュージカル」を中心に地域で活動されている方です。
入澤さんが実際に作られてきた絵手紙や絵、毎月書かれている集落の広報などの展示もあり、どれも「里山のあたたかさ」が伝わってくるものばかりでした。
身近な野菜に絵の具を付けてスタンプのように押して絵にしていくというのは、里山にいるから思いつく絵の描き方なのかなぁと思いました。絵手紙教室では「絵がうまくなくても書けるのが絵手紙!」と教えているそうです。
入澤さんのお話を聞いているだけでも本当に書けそうな気持ちになってきます。
ところどころで参加者の方とのやり取りもあり、和やかな雰囲気で会場が包まれました。
「鍋パン」のお話も興味深いです。昔使われていたよしおか鍋?とよばれる鍋でパンをつくる講座を公民館で実施されたことがあるそうです。
今では見つけるのが難しい鍋のようですが、「あるもの」でなにかをつくる、それは丁寧で豊かな暮らしにつながっていくのだろうなと感じました。

お二方のお話には「里山の楽しみ方」が溢れていて、こころが豊かになる時間となりました。 最後に、会場からは「生物多様性ってなに?」という質問も出てきました。 入澤さんや高原の自然館の白川学芸員から解説がありましたが、「北広島町には貴重な植物がたくさんあり、それをみんなで守ろうという条例をつくっている」「自分たちと生物たちが繋がって生きていることを意識すると我々の生活も豊かにしていける」ということがわかる良い機会となりました。

参加者で記念撮影。

参加者で記念撮影

オトナイの意味を説明される店主の白砂さん。

オトナイの意味を説明される店主の白砂さん

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5種類から選べた。

5種類から選べるお菓子

世話人の宮本さんからのあいさつ

世話人の宮本さんからのあいさつ

お菓子の説明

お菓子の説明

おいしいおやつ。

おいしいおやつ

会場への問いかけも。

会場への問いかけも

にこやかにお話しされる入澤さん。こちらも楽しくなってきました。

にこやかにお話しされる入澤さんに、こちらも楽しくなってきました

 

【イベント報告】エコカフェ2016@芸北(2016.12.3)

エコカフェ2916@芸北が開店しました。

町内外から約30名のみなさんが集まってくださいました。
今回のテーマは「表現と里山の暮らし」で、大朝在住の木版のアート ポロンパの島田さんご夫妻と 千代田在住の山場淳史さん。
聞き手は広島大学特任准教授で生態学者の近藤俊明先生です。

お菓子は、芸北の小さなお菓子屋さん「Kake」のアップルパイで、飲み物は千代田のクリエイター1/f(えふぶんのいち)さんの野草茶。どちらも大好評でした。
最初の話題は、ポロンパのお二人によるアートパフォーマンスから始まりました。
言葉はなくとも、白いキャンバスに広がる表現から、ひとつの物語を受け取りました。
パフォーマンス後のお話では、四季の移り変わりや、暮らしの中で大切にしていることなどをおふたりの言葉からも聞かせていただきました。
パフォーマンスを見た参加者の小学生から「あの場面はなぜ?」という素直な質問がとてもよかった。
芸術って、いろんな見方ができるし、それを言葉にして話をする楽しさもあるんだなーと教えてもらったような気がします。
また、大朝という地域に住まわれているからこそ生まれたアートもあることが、とてもよくわかりました。
そして、次は山場さんによる千代田での里山ライフ紹介。
「我が家」というステージで、どのように何を大切にして暮らしているかを場面ごとに切り取って見せてくださいました。
その中で、「こうしたらもっと楽しくなる」「これはおすすめ」「こんなことを工夫している」というリアルな意見や感想が参加者の共感をよんでいました。
どちらの話題も、北広島という地を選び暮らしている住民が感じていることや、自然の中から受け取っていることをその人らしく表現していて、本当に素敵な時間となりました。
和やかに自然の中での取り組みを共有する「エコカフェ」いかがだったでしょうか?
次回は12月17日(土)大朝保健センターにて開店します。
みなさまのお越しをお待ちしています。

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