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【イベント報告】越冬する樹木の姿

午前中のバードウオッチングから,引き続き参加の方が多く,17名の観察会です.まず,先生が予め採取されたミヤマウメモドキとウメモドキの果実の枝を2007示され,ミヤマウメモドキは果柄が有り,ウメモドキは枝に密着したように実が付いている事を説明されました.よく分からない時は生えている環境,湿った所にあれば,ミヤマウメモドキでしょうと言われ,識別が難しい時はいろいろの事から判断しないといけないようです.そして,千町原・自然館周辺でよく見られるノイバラとミヤコイバラの果実を示されました.果実の下の茎に腺毛がないのがノイバラ,腺毛が有るのがミヤコイバラと,ルーペを使ったりしながら,どこかわからず「いや~難しい」とか「おぼえきれるかしら」などと,隣の人と話し合って観察しました.コナラは小さい芽がたくさん付いていて皮の重ね着,芽鱗(がりん)にくるまっている冬芽.コブシの花芽はふかふかの毛付きのコートのような芽鱗を付け,葉芽の方はそれに比べると毛のない皮で「付け根からぐるっとぱかっと芽鱗が取れる」そうです.その他ナナカマドの芽鱗痕と枝の延び方.ウツギの星状毛.アズキナシの冬芽はカマツカより,ふっくらしているとか,ツノハシバミの雄花,エゴノキの二段構えの大小二つの冬芽(予備はいらないと落ちる)リョウブの波打ったような枝振り,ミズキの赤い枝,サワフタギには毛があるなど,次々に観察していきました.サルナシは葉痕の上の中に冬芽が隠れているとか.タカノツメとコシアブラは維管束痕(いかんそくこん)が7つと11の違いとか.その他にもコバノガマズミやヌルデ・ヤマボウシ・ミズメ・ザイフリボクの話があり,やっぱり覚えきれないほど内容の濃い観察会でした.

今回はウメモドキとミヤマウメモドキの見分け方から話しがはじまった.
今回はウメモドキとミヤマウメモドキの見分け方から話しがはじまった.
斎藤先生の観察会では恒例の,手作りの分厚い資料が配付される.
斎藤先生の観察会では恒例の,手作りの分厚い資料が配付される.
駐車場ではコナラを観察.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駐車場ではコナラを観察.
よーく観察すると,いろんなことが見えてくる.
よーく観察すると,いろんなことが見えてくる.
綿毛をかぶって,暖かそうなコブシの冬芽.
綿毛をかぶって,暖かそうなコブシの冬芽.
斎藤先生手描きのスケッチを見ながら,カンボクを観察.
斎藤先生手描きのスケッチを見ながら,カンボクを観察.
今回の観察会では,とにかくメモを取ることが重要.
今回の観察会では,とにかくメモを取ることが重要.
予備の冬芽を持つ,エゴノキ.
予備の冬芽を持つ,エゴノキ.
先生の手元に,興味津々.
先生の手元に,興味津々.
ヤマボウシの枝の出し方について説明する斎藤先生.
ヤマボウシの枝の出し方について説明する斎藤先生.
ヤマボウシは,5つの方向に枝を出す.
ヤマボウシは,5つの方向に枝を出す.

【イベント報告】八幡高原の冬鳥

「今年は暖かいので,まだ来ていない鳥もいます」と,ここにも温暖化の影響がでているような始まりでした.ツグミがツルウメモドキを群れでついばんでいるところから始まり,今年は液果類が多く,木の実の赤は植物が鳥に食べてもらって種子散布に協力してもらうためとの説明がありました.マヒワの群れはキハダやスギの実に群がり,向きを変えるとヤマガラ・エナガ・シジュウカラの混群.群れることにより,ハイタカなどにねらわれるリスクを少なくするということでした.実際にハイタカが現れるとエナガが警戒声を発して小鳥たちは散り散りでした.さえずっているホオジロは留鳥で,その他渡りで越冬に来ている群れもあり,いろいろだそうです.自然再生事業の進む霧ヶ谷では残念ながら,お目当てのマシコ類を見ることはできませんでしたが,草原生のオオジシギの話など,再生による変化について興味深い話を聞くことができました.大歳神社付近に移動して,タシギ・カワラヒワ・コガモを見ることができました.社そう林ではノスリが徘徊しているので,小鳥が近づかず,カシラダカなどは見ることができませんでした.新川ため池ではアカマツでコゲラ・キクイタダキが虫をついばんでいる様子が観察でき,溜め池にはコガモがす~いす~いと浮かんでいました.時間もゆったり,環境のちがう4カ所でそれぞれ観察ができてみなさん楽しめたのではないでしょうか?

自然館裏のパークゴルフ場で,いつのまにか観察会が開始
自然館裏のパークゴルフ場で,いつのまにか観察会が開始
すると,みんなワラワラと集まってきた.
すると,みんなワラワラと集まってきた.
いつもなら,指さす方向にレンジャクの群が見えるのだけど・・・.
いつもなら,指さす方向にレンジャクの群が見えるのだけど・・・.
駐車場にて,あらためて観察会を開始.オオアカゲラが見えた.
駐車場にて,あらためて観察会を開始.オオアカゲラが見えた.
ひとしきり,自然館のまわりで観察した後,霧ヶ谷湿原に移動した.
ひとしきり,自然館のまわりで観察した後,霧ヶ谷湿原に移動した.
このやぶが湿原に変われば,オオジシギが戻ってきてくれるかも!?
このやぶが湿原に変われば,オオジシギが戻ってきてくれるかも!?
当日はテレビ局も取材に来ていた.
当日はテレビ局も取材に来ていた.
次にやってきたのは八幡盆地の中の水田.
次にやってきたのは八幡盆地の中の水田.
水路ではコガモが群れていた.
水路ではコガモが群れていた.
大歳神社の方へと行くが,期待したノスリは見られず.
大歳神社の方へと行くが,期待したノスリは見られず.
続いて訪れたのは尾崎谷.あれ?別のものを見ている人がいますよ...
続いて訪れたのは尾崎谷.あれ?別のものを見ている人がいますよ...
水面に浮かんだカモが見えるかな?
水面に浮かんだカモが見えるかな?
堰堤で,本日のまとめをした.
堰堤で,本日のまとめをした.

【イベント報告】紅葉の山でゴギの産卵観察会

曇りぎみの寒い朝,17人の参加でした.まず八幡高原センターで資料をもとにゴギの発見や分類について説明を受けました.人による移動の歴史に関する話しや,地域別変種について図鑑を見せて頂いたり,実際の産卵時のビデオを鑑賞したりと大変熱心な講義をいただきました.現地ではすでに下見済みの所に機材等の設置がなされており,カップルのいる場所も即座に観察できて,産卵床を作る行動や,雄が雌に産卵を促す行動を,観察しました.少し下流に移動すると,あられ混じりのあいにくの天気になってきましたが,尺ゴギといわれる4~5年は生きているらしい産卵後のカップルが精子を撹拌しているのか「舞の行動」をとっているのを観察することができました.当日の直前の産卵も,録画された映像を見せていただきました.紅葉の渓流で,「あそこにいます」と教えて頂かないとわからないさび色・落ち葉と見間違えそうな保護色のゴギを,観察会ならではの機会に観ることができて大変感動しました.さらに大きな尺ゴギも別の場所にいたりと,なかなか去りがたい観察会でした.

まず,八幡高原センターで講義を受け,産卵の様子をビデオで観た. まず,八幡高原センターで講義を受け,産卵の様子をビデオで観た.
「そっとのぞいてください.」 「そっとのぞいてください.」
みんな順番にそっとのぞく. みんな順番にそっとのぞく.
「観たぞ」,「あそこ」とみんな必死で確認する. 「観たぞ」,「あそこ」とみんな必死で確認する.
「こんなふうに機材を設置します.」 「こんなふうに機材を設置します.」
現地での説明にも熱が入る. 現地での説明にも熱が入る.
「こういう所にいます.」 「こういう所にいます.」
こんな小さな川が産卵場所. こんな小さな川が産卵場所.
昆虫館の坂本さんが新開発の機材について説明される. 昆虫館の坂本さんが新開発の機材について説明される.
川に人影が映らないように山際に寄る. 川に人影が映らないように山際に寄る.
ゴギのカップル.大きい! ゴギのカップル.大きい!
産卵後の「舞」の行動. 産卵後の「舞」の行動.

【イベント報告】キノコの観察会

今シーズン一番の冷え込みの中,年に一度のお楽しみ,キノコの観察会が始まりました.採取に出かける前に,山手先生よりキノコの採り方を教えていただきました.「くさっているもの」「若いキノコ」は採らないように,丁寧に全体を採るように,とのことでした.そのことを心にとめ,例年のようにかりおの登山道をのぼりながら,キノコを探しました.見つけたものを皆で披露しながら歩きました.その中で「これはおもしろい!」と思ったのはミヤマタマゴタケです.地面に卵がある・・・と思ってしまうほど,とてもキノコだとは気づきませんでした.その他にも,カラマツ林に生え,ひだのところが黄色いハナイグチ,匂いが強烈なスッポンタケ,抱えるほど大きなコフキサルノコシカケなど多くの種類のキノコが集まりました.持ち帰った後は,自然館の前で鑑定の始まりです.種類ごとに分けてみると,先生に名前をつけてもらったキノコはなんと40種類も集まっていたので驚きました.似た種類のキノコの見分け方をお話いただいたり,それぞれのキノコの特性を聞いたりしました.それから待ちに待ったお昼ごはんです.持ち帰ったキノコの中からは,ハナイグチ・ハツタケ・シリヌメリイグチ・アシグロタケ,それに八幡産のナメコ・シイタケが入ったかりお茶屋特製のキノコ汁を全員でいただきました.寒さで冷え切った体をあつあつのお汁が温めてくれ,キノコのうまみを充分に堪能しました.先生やキノコに詳しい参加者の方から専門的な話を聞くことができ,大変楽しい観察会となりました.自作のハガキを参加者全員に下さった日野さん,ありがとうございました.

カゴを片手に出発!!
カゴを片手に出発!!
早速発見.背負篭は便利そう.
早速発見.背負篭は便利そう.
ニボシの匂いがするよ,と教えていただきクンクン.いい出汁がでるそう.
ニボシの匂いがするよ,と教えていただきクンクン.いい出汁がでるそう.
左右に目をこらして,歩く歩く.
左右に目をこらして,歩く歩く.
きれいに採取できた!
きれいに採取できた!笹に隠れるようにして生えているキノコも多かった.
笹に隠れるようにして生えているキノコも多かった.
ひだが黄色いハナイグチ.見分けがつきやすいキノコの一つ.
ひだが黄色いハナイグチ.見分けがつきやすいキノコの一つ.
キノコの特長をじっくり観察中.
キノコの特長をじっくり観察中.
ここにも秋を発見.今年はどんぐりが多いらしい.
ここにも秋を発見.今年はどんぐりが多いらしい.
紅葉にはまだまだ早い.雨が少なかったせいか,キノコも多くはなかった.
紅葉にはまだまだ早い.雨が少なかったせいか,キノコも多くはなかった.
カメが飛びだしたかのようなスッポンタケ.
カメが飛びだしたかのようなスッポンタケ.
本日の食用分.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の食用分.
先生が鑑定をし,次々と名前がつけられていく.
先生が鑑定をし,次々と名前がつけられていく.
毒を持つキノコも多かった.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毒を持つキノコも多かった.
ヒポミケス菌が寄生し傘がひらかなかったタケリタケ.
ヒポミケス菌が寄生し傘がひらかなかったタケリタケ.
キノコの見分け方をじっくりと説明する山手先生.参加者も熱心に聞いていた.
キノコの見分け方をじっくりと説明する山手先生.参加者も熱心に聞いていた.
具だくさん,あつあつのキノコ汁.
具だくさん,あつあつのキノコ汁.
食事をしながら,キノコの話,気候の話など話題は尽きない.
食事をしながら,キノコの話,気候の話など話題は尽きない.
日野さんよりいただいたハガキ.
日野さんよりいただいたハガキ.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査

広島市内などでは豪雨の所もあったようですが,八幡高原では晴れ間も覗くお天気でした.今回の調査に集まったのは11人.4つの班に分かれて調査を行いました.各班3~5のプロットを調査したのですが,手際よく調査が進められ,お昼前には調査が終了しました.今年からは「ダンポール」という目印を立てておいたので,調査プロットを見つけやすくなったことも早かった要因だと思います.これについては,かなり前から指摘があったのですが,やっと方法が定着しました.これまでに参加したみなさん,手間をおかけしました.実験地の反対側では,薮が切り開かれ,自然再生工事が進んでいました.見晴らしが良くなった霧ヶ谷を見ると,なんだか感慨深いものがあります.こうして実験地の調査を続けてきたことが再生事業に繋がったことを思うと,これからも続けていかないといけないと改めて感じました.
自然館に戻り,調査のまとめをしました.初めて参加した方は,ほんのわずかの面積にたくさんの植物が生育していることや,調査の専門家の知識に驚かれていたようです.今回は現地で同定できなかった種はほんの数種だったので,午前中で解散しました.お昼ごはんを食べ終わるころには雨になり,今回もお天道様が味方してくれたんだな,と思いました.
調査指導をし,写真を提供してくださった大竹さん,渡邉さん,佐久間さん,小宮さん,ありがとうございました.

実験地と反対側にある,工事中の自然再生事業地を眺める.木が伐採されて,すっかり風景が変わった.
実験地と反対側にある,工事中の自然再生事業地を眺める.木が伐採されて,すっかり風景が変わった.
調査を始める前のレクチャー.
調査を始める前のレクチャー.
今回は4班に分かれて調査をした.
今回は4班に分かれて調査をした.
導水したプロットで,ヨシ,コバギボウシ,ヒメシロネなど,多様な湿地生植物が見られた.
導水したプロットで,ヨシ,コバギボウシ,ヒメシロネなど,多様な湿地生植物が見られた.
このプロットではイが優占していた.
このプロットではイが優占していた.
調査を終え,自然館の前でまとめをした.
調査を終え,自然館の前でまとめをした.
八幡湿原自然再生事業は,公園整備でも河川改修でもなく,湿原を再生する工事.
八幡湿原自然再生事業は,公園整備でも河川改修でもなく,湿原を再生する工事.
氾濫原を再現するために,コンクリートの側壁が壊され,河川の構造が変えられていく.
氾濫原を再現するために,コンクリートの側壁が壊され,河川の構造が変えられていく.