2024年4月7日(日)におとなり安芸太田町の深入山山焼きが実施されました。深入山は毎年植物観察会を行なっている場所であり、西中国山地自然史研究会の専門員の先生たちは、昆虫・野鳥などのモニタリングを行なっている思い入れのある草原でもあります。
「未来に残したい日本の草原(未来に残したい日本の草原100選運営委員会編)」によると、深入山は1749年に山焼きを行ったという記録が残っており、ワラビ山・肥草山として利用するために山焼きが行われてきたようです。1971年から深入山の山焼きは旧戸河内町が松原自治会に委託されたものの、2017年に受託辞退があり、再編し、2018年から町職員を中心とした新体制となり、自然を活かした観光の推進の観点から「草原の維持・再生」を目的とし、火入れを行なう中、2023年より一般ボランティアの募集がスタートしました。その際、西中国山地自然史研究会では、ボランティア募集について情報提供を行ったご縁もあり、関係者がボランティアに参加しています。
2024年の今回は専門員3名、スタッフ1名がボランティアに参加(+観光参加)しましたので報告します。
※ボランティア参加要件には、SNSなどでの発信が推奨されています。よって感想には個人見解も含まれています。
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●A班担当
初めてボランティアとして参加しました。雲月山と比べて焼く範囲が広いため、数人の点火係の方が、山頂から斜面や谷を降りながら火を付けなければならないことが、危険を伴う大変な作業だと思いました。山全体が見えないことも雲月山とは異なる点かと思いました。安全に作業を行うための事前の話し合いや当日の連絡体制など、山焼きはチームワークだなぁと改めて感じました。
●B班担当
昨年に続き2度目のボランティア参加でした。今回は火付け役という責任のある役目でしたが、植生や地形、人員の配置等をみながら火付けのタイミングをある程度イメージできました。これまでに携わってきた深入山、蒜山や雲月山などでの山焼きの経験が活きたのではないかなと思います。怪我や事故なく終わったのであれば成功と思います。
●D班担当
火が思うように燃えずあせりが感じ取れました。私は南登山道脇に火をつけて7合目くらいまで登りました。本来の火付けルートでは無くイレギュラーなものでした。ほとんどササ草原になっており、前夜の降雨もあったのか、ほとんど燃えませんでした.観光目的で行われている山焼きであり,あまりに燃えないので途中で帰る見物の方が多かったです。できれば、ササを刈ってススキ草原にするともう少し燃えると思います。
●E班担当
初めての参加でどきどきしましたが、待ち時間の多い配置だったため、グループのみなさんと話をしたり、観察したりという時間が長くもて、交流することができました。可能であれば、ボランティアだけでなく職員のみなさんにも名札があれば、話しかけやすかったかもしれません。途中、各班の様子を見に来られた 橋本博明 町長とお話しできたのは、大きな出来事です。職員のみなさんと町長とのやりとりを見ているととても和やかで、いい町なんだろうなぁと想像しました。
深入山の一番東側を担当するグループだったため、火が入る山容は見えなかったものの、山裾や林縁に火をつけていく体験は初めてで、文字通り燃えました!深入山の山焼きを自分が担えたという充実感いっぱいに帰路につきました。
●観光参加
駐車場周辺にはキッチンカーや地元のお店の出店もあり、まさにお祭り気分。また、頂上部の点火、麓からの点火についてはしっかりとアナウンスがあり、観光客に優しい山焼きだなという印象を受けました。
少し残念だったのは、曇り空となり肌寒さが増したことに加え、昨夜の雨の影響もあってか山焼きの燃え方が激しくなく、ゆっくりじわじわと焼けていくという状態だったからか、麓からの点火、最初の頃の激しい延焼が終わると、多くの観光客が帰ってしまったということです。ボランティアの方々が下山して戻ってくるころには、観光客の姿はまばらという寂しい状況に…。
とはいえ、山焼きを楽しみにされている方との交流もでき、楽しい1日となりました。
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このように大きな行事を安全に実施された安芸太田町に敬意を表します。
西中国山地自然史研究会では、9月21日に深入山の植物観察会を予定しています。
今後もたくさんのいきものの観察や保全、いこいの場所、四季のある気持ちのよい風景などを楽しみに深入山を訪れたいと思います。
はらっぱーも、深入山の山焼きに行ってきました!!
橋本町長の熱のこもった挨拶からスタート。
班ごとに仕分けられた火入れグッズ
山焼き時の服装はこれだ!!
おべんとうタイム
キブシと消防車。後ろでは火が走る。
E班のようす。
軽快に班を回る橋本町長。ボランティアにも声をかけてもらえた。
少しずつ燃え上がる
B班のようす。
D班のようす。
山焼き後の深入山