【活動報告】自然体験活動フォーラムレポート(2018.1.25)

1月20日,21日の二日間に渡り,自然体験活動協議会(CONE)主催による自然体験活動フォーラムに参加したので報告します.

このフォーラムは「自然体験活動は次世代へ」をテーマに全国6ヶ所で行われており,広島会場では120名の参加者が集まり,江田島の国立江田島青少年交流の家で開催されました.

講堂で行われたフォーラムのオープニングを飾ったのは,浦田愛さんの歌声です.ヘンリー・ターナー・ベイリーの「子供の生まれながらの権利」に曲を付けた歌だそうで,子供たちが自然と触れ合うことの大切さを歌った歌詞が印象的でした.

続いて西村さんによる「自然体験活動は次世代へ」,小林さんによる自然活動体験とアクティブラーニングを結びつけたリレー講演が行われました.

リレー講演のあとは,グループに分かれての分科会です.

分科会は自然体験と他の活動を組み合わたテーマで分かれており,それぞれ「エコツアー・インバウンド」「森のようちえん」「災害教育」「アクティブラーニング」「里地・里山保全」という5つの分野で行われました.

分科会5の「里地・里山保全」には,世話人としてNPO法人西中国山地自然史研究会からスタッフ河野が,ゲスト講師として芸北 高原の自然館から白川学芸員が参加し,スタッフ前田は参加者として,分科会1の「エコツアー・インバウンド」に参加しました.

講堂から会議室に移っての「エコツアー・インバウンド」分科会は16名全員の学びたいこと,知りたいことを自己紹介から始まりました.小学校の先生や県の職員,中には神奈川や愛媛など,県外から参加している参加者もおり,バラエティに富んだ顔ぶれとなりました.また,実際に現場に携わっている方はもちろん,インバウンドという言葉を初めて聞いた,自分の専門外なので色々と聞きたいという方もおり,思いもよらぬ意見も飛び出しそうな分科会となりそうです.

最初に市内でゲストハウスを経営しているという佐藤亮太さんからお話を聞きました.ゲストハウスを行う傍ら,湯来地域でWWOOFなど様々な活動もされているそうで,実際に外国人と触れ合う事例が詳しく聞けて興味深いお話でした.

その後は,興味,関心ごとに3グループに分かれてフリーディスカッションへと移ります.

  • インバウンドやツアーで実際に地域の活性化はできるのか?
  • そもそも地域の人たちは,本当にインバウンドやエコツアーを求めているのか?
  • 団体のパックツアーよりも個人旅行の人たちの方が,地域にお金を落としているという研究もある.
  • ターゲットの整理が十分にできていないのではないか?
  • 素晴らしい観光場所もあるが,交通が不便
  • 地域をまたいでの連携ができていない

などという,地元を考えた声や,観光の課題などといった様々な意見があがり,白熱した時間となりました.

分科会のプログラムは2日目の午前中にも2時間行われ,フォーラムの中でも特に印象に残り,内容も充実したものとなりました.

2日間の研修のまとめは,それぞれの分科会から出された「問い」について全員でそれぞれ考えて,有志3名と分科会の世話人による答えへの発表をパネルディスカッション方式で行いました.

「アクティブ・ラーニングに関して,あなたは明日からどんなことを具体的に試したいですか?」「自然体験活動の中で海外の方と関わりたいですか?関わるならどのような活動をしますか?」といった,中には答えるのが難しいような問いもありましたが,「森の幼稚園で対応力を子供を身につけさせたい」「里山でときめきを見つけたい」など,着々と有志による発表も行われて無事にフォーラムはすべて終了です.

様々な分野で自然体験活動を行っている人たちがたくさんいること,自然体験と結びつけて災害教育や里山保全を考えるなどといった色々な考え方や方法など,新しい発見や視点も見つかり,新たなつながりも出来た研修となりました.[まえだふさ]


ひろしま自然学校の志賀さんの挨拶もあった.


分科会5「エコツアー・インバウンド」の世話人の河野さん.
室内は終始和やかな雰囲気だった.


横川でゲストハウスを経営されているという佐藤亮太さん.
インバウンドの事例として,WWOOFのことや,湯来地域でのお話は色々と勉強になった.


佐藤さんのプレゼンを熱心に聞く.


中にはメモを取る人も.


2日目は,興味のあるトピック同士で集まって色々と話し込んだ.
話したことのまとめを発表中.


分科会ではいろんな話が出た.課題もあれば長所や強みも見つかった.
たくさんの収穫があった2日間.