​『形』と『過去』から見る植物散策~水口谷【むなくとだに】湿原編(2017.6.28)

本日のブログは、インターンで来館中の梅本さん更新です(・ω・)b
僭越ながら、前田が水口谷湿原を案内をさせていただきました(・∀・)!!

雨が降るのか降らないのか?という天気の八幡からこんにちは。
梅雨らしくない日が続いており、日常生活では助かってますが、梅雨らしい風景が見れないのは少し残念です。

今日の朝の散策情報を様々なエピソードと共にお伝えします。

まず目についたのは 「カラコギカエデ」という植物。
今の時期では、種子が赤くなり緑との絶妙なグラデーションが印象的でした。
最初は葉なのかな~と思いましたが、これは種子とのことでした。

写真では伝わりにくいかもしれませんが、この種子はひとつひとつプロペラのようになっており風にのって少しでも遠くに飛ぶ構造になっているそうです。その形は羽子板の羽を連想させるような形でした。(後に調べましたが、羽子板はムクロジという植物のようです)このカエデという植物は葉が印象的です。その名前の由来は葉がカエルの手に似ていることから「カエデ」なんだそうです。

次に印象的だったものは、「オトシブミの造形物」です。この造形物がとても合理的で無駄のない仕組みで驚きでした。
これは、オトシブミが作る虫のゆりかごです。雌がこの中に卵を産み、卵はゆりかごによって守られます。また、ふ化した幼虫が、ゆりかごを食べて成長するそうです。
この「オトシブミ」という名前は、江戸時代に他人にばれないように手紙を道端に落として他人に渡した「落とし文」から来ているそうです。そんな時代があったんですね。

この他にも、
・ハンカイソウのツボミ
・イワカガミ
・トリカブト
・ヤマザクラの仲間
・サンショウクイ
・ノハナショウブ
など色々な出会いがありました。

最後に目にする機会の多いタンポポに似ている植物「ブタナ」についてのプチ情報です。
タンポポとは背丈が異なり大きいのですぐに違いは分かるかと思います。
このブタナという植物は昔、北海道で最初に発見されたときは「タンポポモドキ」と言われていたそうです。納得です。ただ、その後フランス語で「豚のサラダ」と呼ばれていることがわかり、直訳してブタナとなったようです。

ひとつの植物に様々なエピソードがあるので、その歴史や構造などから見ていく植物観察。
時間はかかってしまいますが、想像力の強化・脳内リフレッシュには最適な観察方法だと感じました。[梅本雅史]